皆様、こんにちは
毎日寒いけど良い天気が続きますね。
もう2月に入りました。
花粉症歴30年以上の私の目は、そろそろ杉の花粉を感じ始めています
昨日、出光美術館の『岩佐又兵衛と源氏絵』展を見に行きました。
出光美術館は、何度も訪問していますが、昨年末に出光興産の創始者 出光佐三さんのことを描いた映画「海賊とよばれた男」を見たので今回はなんだか親近感が沸いてしまいます
岩佐又兵衛は、戦国武将「荒木村重」の子供で、一族が織田信長に処刑された際に1人生き残り、後に絵師となり、浮世絵の始まりを作ったとされる人物。
その絵は正確で精緻、と同時に今までの慣例やタブーをひっくり返す鋭い感性に満ちています。
又兵衛研究の第一人者で、昨年末に文化功労賞をいただいた 辻惟雄先生の「岩佐又兵衛~浮世絵をつくった男の謎」の挿し絵を抜粋させていただくと。。。
「山中常磐物語絵巻」の一部で、源義経の母の常磐が、息子の義経を訪ねて旅をしている途中で、盗賊に襲われ、殺されてしまうシーン。
こんなにむごたらしい事を描いているのに、左手の松は実に美しく精緻に、部屋の壁の木目も細かく美しく描いています。
不思議な感覚に襲われてしまうこの絵。
世の中で一番醜いことと一番美しいことが同居しています。
多分、幼い頃に家族が殺害されていることと無関係ではないのでしょう。
今回の又兵衛の源氏絵も興味深く拝見させていただきました。
軸も屏風も綺麗でした。
でも一番凄いと思ったのはこの絵
『源氏物語 野々宮図』です。(買ってきた絵はがきをを撮らせていただきました)
この絵師は本当に上手いと思いました。
背景の奥行きの深さ。。。細やかな描写と墨のグラデーションで表しています。
また、人物の着物の柄の緻密さ。。。
辻先生がのめり込まれた絵師なので、スゴい絵師とは思っていましたが、こんなにスゴいとは。。。
実物を見ないとその凄さは分からないと思うので、是非みなさん、見に行ってくださいねっ
2/5までです。
(辻先生に「凄い絵ですね」と感想をお伝えすると、「いいところに目をつけましたね。あの絵は図版(写真や図録)では分からない。実物を見ないと。本当に素晴らしい絵なんですよ」とおっしゃってました。)
一通り展示室を見て、最後は奥の無料喫茶コーナーでお茶を一杯いただきながら、外を眺めます。
目の前に皇居の前庭が広がります。
時折、カモメが本当にすぐ目の前を横切っていくのを見ることが出来ます。
出光美術館はビルの9階。
ちょうどカモメの飛ぶ高さらしいのです。
カモメは羽ばたかないで風にのって飛びますので、その形のままで水平移動していきます。見ているこちらがビックリします
きっと彼らは建物の中で人間に見られてるって気付いてないのでしょうね