令和6年2月に読んだ本 | 乱読家ぽちんの独り言

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令和6年2月に読んだ21冊をアプリ「読書メーター」にまとめてもらいました。

2月の読書メーター

読んだ本の数:21

読んだページ数:5092
ナイス数:179

アリストテレス『ニコマコス倫理学』 2023年10月 (NHKテキスト)アリストテレス『ニコマコス倫理学』 2023年10月 (NHKテキスト)感想
NHK100分de名著のテキスト。有名な哲学書を取り上げてくれることが多い番組ですが、難解な哲学書を噛み砕いてわかりやすく説明してくれます。アリストテレスの倫理学をざっくり言うと、『人の行動は「幸福」を目指している』ということなのですが、人生を目的主義的、達成主義的に捉えているわけではなく、むしろ善き行いを繰り返すプロセスによって善き人格を目指すといったプロセス主義的な哲学のように思います。僕自身も、結果よりはプロセスを楽しみたい人間なので、アリストテレスの本は読みやすくわかりやすいなぁと感じました。
読了日:02月02日 著者:山本 芳久
日本宗教のクセ日本宗教のクセ感想
5回にわたる対談をまとめたもの。内田先生と釈先生の対談本は、昔「現代霊性論」を読んでから、面白いのでずっとハマっています。思想家、宗教家の本は、深掘りされ過ぎていて、読んでいて段々とついてゆけなくなることが多いのですが、対談はそれぞれの思考の違い・ギャップから、予期せぬまったく別のもの、異質のものが噴き出してくることが多く、ワクワクしながら読めます。対談のテーマは、、、、日本宗教の特異性である「習合」、アジールにいる異能な人たちの宗教性、お墓の過去と未来、政教分離、戦後日本の宗教などなど。
読了日:02月06日 著者:内田樹,釈徹宗
国家は巨大ITに勝てるのか (新潮新書 1012)国家は巨大ITに勝てるのか (新潮新書 1012)感想
巨大IT企業の恐ろしさは、個々人の行動データの蓄積により個々人の行動特性を把握し、さまざまな情報操作により、個々人の行動を自由にコントロール出来る(かもしれない)ことと考えます。個々人をコントロール出来れば、巨大IT企業の意のままに動く政治家を国家のトップに据えることも容易だと思います。そして、世界は巨大IT企業の意のままに動かされる。国家vs巨大IT企業の勝敗は、すでにきまったようなもの。。。そして、巨大IT企業を動かしているのは、人である経営者ではなく、実はAI。。。こわっ!
読了日:02月06日 著者:小林 泰明
ヒトという種の未来について生物界の法則が教えてくれることヒトという種の未来について生物界の法則が教えてくれること感想
本書で紹介される諸法則は、種数-面積関係の法則、アーウィンの法則、ニッチの法則、回廊の法則、 回避の法則、認知的緩衝の法則、多様性-安定性の法則など。我々が当たり前のように思っている「人間中心視点」。それが人類の未来を見誤る元になるかもしれない。我々の身の回りの生物を、薬剤でコントロールしようとすればするほど、耐性をつけた有害生物の楽園を生み出してしまう。自然界は危機になど瀕していない。人間の所業によって絶滅に追い込まれるのは、人間と関わりの深い一部の生物に過ぎない。
読了日:02月07日 著者:ロブ・ダン
生理痛は病気です (光文社新書 1266)生理痛は病気です (光文社新書 1266)感想
日本で漢方薬局を経営されている著者。中医の知見に基づき、生理痛を我慢して日本社会で頑張っている女性たちへの提案の書です。男性の僕には、生理痛を体感的に理解するのは難しいのだけれど、男性の「知らんぷり」「わからないふり」は、あかんねぇと思いました。青山繁晴さんではないけれど、「女は何をしてもいい!女よ、大志を抱け!男よ、女を護れ!」
読了日:02月09日 著者:邱 紅梅
選挙学入門: 選挙プランナーが明かす逆算の思考選挙学入門: 選挙プランナーが明かす逆算の思考感想
選挙なんて、政策や立候補者の能力なんで二の次、三の次で、お金と地盤、支持団体で決まるということを体験してきました。だから政治家はたくさんのお金を集めて、たくさんの秘書を雇おうとするのです。だから、自民党には派閥が出来るのです。「国民にツケが回る」とマスコミはすぐに言うけれど、そもそも政治や社会の仕組みに関心のない国民に、自分の頭で考えない国民に責任があるのだと僕は思います。日本の尊厳と国益を護る。「自分の野望ではなく、人のために生きる」、そんな国会議員にこの国を託したいと思います。
読了日:02月09日 著者:野澤 髙一
能力はどのように遺伝するのか 「生まれつき」と「努力」のあいだ (ブルーバックス)能力はどのように遺伝するのか 「生まれつき」と「努力」のあいだ (ブルーバックス)感想
遺伝と能力については、科学的観点と倫理学的観点の二つから議論が必要なようです。人間は他者と比べて、自分は劣っている、自分は優れているなど、あらゆる面で人を評価し、さらには「あいつは出来るやつだ」などのレッテルを貼りたがります。人間社会にはどうしても優劣をつけざるを得ない場面もあり、誰かが付けた優劣の中に身をおいて生きていかざるを得ないのでしょう。遺伝と能力を倫理学的に議論するには、ヒトはまだまだ成長し成熟しないといけないのかもしれません(ん?成長、成熟ってなんだ?)
読了日:02月11日 著者:安藤 寿康
超一流の思考法 侍ジャパンはなぜ世界一になれたのか? (SB新書 628)超一流の思考法 侍ジャパンはなぜ世界一になれたのか? (SB新書 628)感想
《栗山監督》⚫︎言葉の力「まだまだ、お前の力はそんなもんじゃない」。性格とタイミングを見て話しかける。⚫︎やらないで後悔するよりも、やって後悔せよ。⚫︎未来に期待する「信頼」、過去の実績による「信用」。⚫︎信じて、任せて、感謝する。《ダルビッシュ有》⚫︎変化球はアート。⚫︎毎年新しい球種にチャレンジ。最大の武器は探究心。《大谷翔平》⚫︎品格を感じさせる挨拶。⚫︎「自信があるのはバッターですけど、楽しいのはピッチャーです」僕のような凡人には、彼らの凄さは、遠すぎてわかりませぬ(笑
読了日:02月12日 著者:鶴岡慎也
中世ヨーロッパ: ファクトとフィクション中世ヨーロッパ: ファクトとフィクション感想
本書は、中世ヨーロッパについて欧米人が真実と思い込んでいること11項目を取り上げて、それはフィクションだったと結論づけています。僕が何となく思っているヨーロッパ中世のイメージは、「中世の人々は地球は平らだと思っていた」「中世の教会は科学を抑圧していた」ぐらいでしょうか。ちなみに日本での中世とは、「院政期から戦国時代までの11世紀後半から16世紀後半までの期間を指す」とWikipediaには書かれています。日本はヨーロッパよりも600年程度遅れて中世が始まったという歴史認識なんですね?
読了日:02月13日 著者:ウィンストン・ブラック
日本の闇と怪物たち 黒幕、政商、フィクサー: 黒幕、政商、フィクサー (1000;1000) (平凡社新書 1000)日本の闇と怪物たち 黒幕、政商、フィクサー: 黒幕、政商、フィクサー (1000;1000) (平凡社新書 1000)感想
僕から見て左寄りに見える佐高信氏と森功氏の対談本です。日本の黒幕、政商、フィクサーとして「自民党文教族に食い込む統一教会」「イトマン事件を引き起こした許永中」「元JR東海名誉会長で安倍一強を作り出した葛西敬之」「中曽根康弘と田中角栄」「小泉政権下で新自由主義政策を訴えた竹中平蔵」を取り上げられています。まあ、北新地のクラブでゆっくりお聞きしたい雑談本です(笑)
読了日:02月14日 著者:佐高 信,森 功
悪気のないその一言が、職場の一体感を奪っている 心地よく仕事するための真・常識「リスペクティング行動」悪気のないその一言が、職場の一体感を奪っている 心地よく仕事するための真・常識「リスペクティング行動」感想
「報告を受けたらまず感謝する」「仕事の目的や内容を適切に伝える」「情報は一斉共有する」「チャットに会話の記録を残す」「トップが率先して新しいツールを使う」「宴会では部下のよかったところをフィードバック」「形骸化した慣習に正しく異を唱える」過去に何度か講演で聞かせていただいた沢渡あまねさんの著作。部下を見下さす、常に敬意を払う。ジャストタイミングで感謝と褒めを行う。情報は全て共有する。などなど。当たり前のことながら、大事な時に、大切な時に、できていない事が、ほんとうに多いですね。
読了日:02月15日 著者:沢渡 あまね
何が投票率を高めるのか (単行本)何が投票率を高めるのか (単行本)感想
「多くの有権者は無意識に、投票のベネフィットとコストを比較した上で、投票に行く・行かないを決めている」そうです。コストとベネフィットを比較すれば、自由民主党の青山繁晴参議院議員が圧倒的に優位にあると考えますか、既得権益を守りたいマスコミが、青山繁晴さんをニュースなどに流そうとしないのか、最大のネックですね。国民の我々が頑張るしかないです!!
読了日:02月17日 著者:松林 哲也
引きこもりの7割は自立できる (新潮新書)引きこもりの7割は自立できる (新潮新書)感想
実は、我が家も当事者家庭です。。。何度か危機的な状況になり、その都度その都度、第三者の助けを受けつつ、一つ一つ乗り越えてきたという実感があります。子どもは様々な環境変化や体験によって成長していきます。親子だけで問題が解決しないのは、子どもの成長機会がないからだとも言えます。親御さんが罪悪感を持ってしまうと、なかなか前にも進まないようにも思いますし、親が専門家である必要は全くないと思います。むしろ、親が心理学など専門的なことを学ぶ方が、子どもの成長の足枷になるように思いますね。
読了日:02月18日 著者:二神 能基,久世 芽亜里
神の数学神の数学感想
本書は、ちょっと(かなり)、怪しいと思える箇所がいっぱいあるので、「まあそうやなぁ」と思える箇所だけ読んでみてはいかがでしょう。責任感、損得、貸し借り、比較、所有、、、、それらが人を不幸にする。幸せになるためには、、、人のために生きる。人を無条件に愛する。この世のことを受け入れる。そんなことを思いながら、ざっくりと読みました。
読了日:02月20日 著者:MAHANANDA(ジェームス・スキナー)
『源氏物語』のリアル 紫式部を取り巻く貴族たちの実像 (PHP新書)『源氏物語』のリアル 紫式部を取り巻く貴族たちの実像 (PHP新書)感想
源氏物語のモデルとなったと言われている人たちの生き様を紹介されています。世界最古の女性文学である「源氏物語」は、京の貴族社会での噂話、ゴシップを描いたものと言われています。いつの時代も、色恋沙汰はヒソヒソ話として楽しむもののようです。
読了日:02月21日 著者:繁田 信一
愛とラブソングの哲学 (光文社新書 1277)愛とラブソングの哲学 (光文社新書 1277)感想
恋愛感情には、理屈ではどう考えても割り切れない思い、社会の道徳感や法律との噛み合わなさなどあり、恋愛は、当事者にとってはひと時の幸せをもたらすけれど、一方でさまざま禍根を残すものですね。「愛は無合理」「愛は感情を生み出す潜在的な状態」との考え方は、とてもストンと腹落ちしました。
読了日:02月23日 著者:源河 亨
月と日の后(下) (PHP文芸文庫)月と日の后(下) (PHP文芸文庫)感想
前編は、彰子の叔母にあたる藤原詮子のおどろおどろしい憎しみに満ちた語りがおもしろかったのですが、後編は「冲方丁さん、どうしちゃったの?」と思うくらい、読んでいて退屈でした。。。平安時代の貴族の権力争いは、味方をどれだけつけるか、どれだけ徳の高い行動を周りに見せれるか、どれだけ恨みをかわないな、政敵の行動をいかに封じるか、政敵の悪い噂をどれだけ広めるか、、、などで、現代の組織内での派閥闘争に似ているなぁと思いました。
読了日:02月24日 著者:冲方 丁
ウソみたいな人体の話を大学の先生に解説してもらいました。ウソみたいな人体の話を大学の先生に解説してもらいました。感想
⚫︎がん免疫療法からダイエット、引きこもりまで効果がある(かもしれない)「うんち移植療法」。⚫︎ジェットコースターに乗り尿道結石を排出させる治療法(イグノーベル賞医学賞を受賞した研究)。⚫︎基礎代謝は20代から50代まではほとんど落ちない。中年太りの原因は代謝の減ではない。⚫︎水を飲むことは、ダイエット、糖尿病に効果あり。⚫︎新たながん治療法。「がん細胞を半殺しにして身体に戻す」「がん細胞のステレス機能を解除させる」「がん細胞を洗脳して抗がん剤の工場にする」などなど。
読了日:02月26日 著者:中尾篤典,毛内拡
膵臓がんの何が怖いのか 早期発見から診断、最新治療まで (幻冬舎新書 701)膵臓がんの何が怖いのか 早期発見から診断、最新治療まで (幻冬舎新書 701)感想
職場の同僚を膵臓がんで亡くしたことがありますが、その方もがんが発見された時には、ステージ4で手遅れの状態でした。さまざまな治療薬や治療法の開発により「治るがん」が増えてきていますが、膵臓がんだけは、なかなか検査では発見できず、自覚症状が出た時にはステージが進んでいることが多い「やっかいながん」です。本書は少しだけ希望(?)を持てる新たな治療法を紹介しています。
読了日:02月26日 著者:本田 五郎
桃太郎のユーウツ桃太郎のユーウツ感想
表題作を含む短編集です。表題作の「桃太郎のユーウツ」は、ダライ・ラマのように遥か昔から継承され続けている「桃太郎」が、ユーウツな気持ちを抱えながら、正体不明の指令により正義(?)を執行するまでの話です。正義は、ある一方の側から見ての正しさであり、逆の側(鬼)の視点から見れば悪である。しかし、善悪の判断を求められていない桃太郎は、指示者の命令を執行するだけであり、テロリスト・暗殺者と変わらない。そのモヤッと感が、主人公のユーウツの正体なのだろうと、僕は解釈しました。
読了日:02月28日 著者:玄侑 宗久

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