【『はじめに』より引用】
グーグルの元CEO、エリック・シュミットらは2014年の著作『第五の権力』(ダイヤモンド社)でこう述べた。
「これからの時代は、誰もがオンラインでつながることで、私たち1人ひとり、80億人全員が新しい権力、つまり『第五の権力』を握るかもしれない」
インターネットは確かに、個人に力を与えた。しかし、それはIT企業が用意した巨大な手のひらの上で、にすぎない。そして今、巨大ITこそが国家も報道機関もよせつけない、「第五の権力」として君臨している。 歴史上、類を見ない巨大企業に対し、一国家では立ち向かえないと、近年は国家が連帯して包囲網を築く動きも出ている。「超国家」ともいうべき巨大ITと国家が繰り広げるパワーゲーム。実は私たちは今、その渦中にいる。
【引用終わり】
独禁法をめぐる日本政府とGAFAの戦い。
iPhoneを実質0円で販売せざるを得ない日本の通信キャリアとアップル社の特別な関係。
「人間を登録する電話帳」Facebookは、「いいね」履歴で利用者の人格まで把握。
米連邦地裁vsアップル。
出店者が身を削らざるを得ないAmazonの価格支配。
バイデン政権vs巨大IT企業。
などなど、、、、
個人は国家からみても、巨大IT企業からみても、蟻みたいな存在ですよね。
しかし、国家vs巨大IT企業の戦いは、国家間の戦争と違って、表向きは血は流れず、戦場がどこなのか、どんなルールでどんな武器で戦っているのか、、、蟻のような一個人では全く見えませんね。
巨大IT企業の恐ろしさは、個々人の行動データの蓄積により個々人の行動特性を把握し、さまざまな情報操作により、個々人の行動を自由にコントロール出来る(かもしれない)ことと考えます。
個々人をコントロール出来れば、巨大IT企業の意のままに動く政治家を国家のトップに据えることも容易だと思います。
そして、世界は巨大IT企業の意のままに動かされる。
国家vs巨大IT企業の勝敗は、すでにきまったようなもの。。。
そして、巨大IT企業を動かしているのは、人である経営者ではなく、実はAI。。。
なんか、恐ろしい未来のようですが、人間も自由意志なんてそもそもない一つのアルゴリズムにすぎないとすれば、人間がAIに変わったからといっても神の視点、宇宙の視点に立ては、なんら変わらないことになるのかもしれません。
知らんけど。
「国家は巨大ITに勝てるのか」小林泰明(新潮新書)
【2月6日読了】
【オススメ度★★★】