令和6年1月のオススメ本 | 乱読家ぽちんの独り言

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令和6年1月に読んだ24冊からのオススメの3冊です。

《令和6年通算24冊》



「わたしは灰猫 そして、灰猫とわたし」青山繁晴(扶桑社文庫)


生きることは、「変化」の繰り返しである。変化は良き結果をもたらす場合もあるが、時に厳しい結果が待っていることもある。

しかし、人は「何か」を変えて生きていかざるを得ない。なぜなら、命には限りがあるから。

他者の生と死は、私の人生に変化を促す。

また、自分の死を見つめることも、私の人生に変化を促す。

僕もまた目前に待ち構えている、「見えざる変化」に備えなければならない。

その時に流されるように変化するか、自ら変化をしかけるか、、、、





「悪口ってなんだろう」和泉悠(ちくまプリマー新書)


「悪口はどうして悪いのか?」

「どこからどこまでが悪口なのか?」

「悪口を言うことはなぜ面白いのか?」

の三つの問いから悪口を、哲学、言語学から考える本。

⚫︎本書の悪口の定義は「誰かと比較して人を劣った存在だと言うこと」。「人を傷つける言葉」「悪意を持って言葉で攻撃すること」という常識的な定義では無い。

⚫︎悪口以外の言葉でも人を傷つけることはある。人を傷つけることは悪口の十分条件では無い。また、人を傷つけることは、悪口の必要条件でも無い。人を傷つけるから悪口が悪いわけでは無い。

⚫︎悪意は悪口の必要条件でも十分条件でも無い。

⚫︎悪口の怖さは、悪口を放置すると他者からのランクが下がること。悪口は、「標的が自分よりもランクが下だ」ということ。

⚫︎身長、テストの点数、給料など、事実関係のランキングを、優劣のランキング、存在のランキングにしてしまうことが問題なのである。事実関係を評価することと、尊重する・しないを混同してはならない。




「日本の歪み」養老孟司×茂木健一郎×東浩紀(講談社現代新書)


養老孟司さん(解剖学者)、茂木健一郎さん(脳科学者)、東浩紀さん(批評家)の東大出身の御三方の縣談をまとめたものです。

テーマは、「先の大戦」「維新と敗戦」「死者を悼む」「憲法」「天皇」「税金」「未来の戦争」「あいまいな社会」「地震」。

御三方ともに、「世の中はこうあるべきだ、⚫︎⚫︎は間違っている」という単純明快的に世の中を切るのではなく、「この世は複雑系」「現代社会は歴史的必然」「どこかに正しさがあるという思い込みが近代日本社会の歪み」「人間には自由意志は無い」等の視点をもたれていてメッチャ面白かったです。