女装Bar「Purpure」さんへお邪魔して来ました。 | 煮ても焼いても食えない。

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約10年越しに女装を始めたみちるさんのブログです。
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みなさんこんばんわ。みちるです。

昨日、新宿二丁目の女装Bar「Purpure」(パーピュア)さんに行って来ましたので今宵はその様子などです。

 

 

日月が休みなわたしは日曜に用事があったため、月曜の夜に新宿二丁目にお出かけして来ました。

 

 

 

 

 

当夜は約10年ぶりにマンボー新宿総本店さんにてお着換え。

 

思い出すと10年ほど前、毎月一回、風林会館で開催されていたオールナイトの女装イベント「プロパガンダ」にどうしても行ってみたくてこのマンボーさんで着替えて出陣(笑)した記憶があります。

いや本当に、気合のこもり方や命がけで新宿二丁目から新宿区役所近くの風林会館まで一人で22時過ぎに女装で歩く覚悟は、まるで出陣という言葉が良く似合っていました(^^;

まさに若さゆえの勢いです。

 

この夜、約10年ぶりにこのマンボーさんでお着換えをしたわたしには、あの頃になかったいくばくかの余裕がありました。

この新宿二丁目という街がLGBTQの街だと、今はちゃんと理解しているからでしょう。

 

とはいえ、女装して一人で歩くのは心細いもの。

マンボーを出てすぐに自撮り録画を初めて、Youtuberよろしく自撮りをしながら”女装外出し慣れている自分”を演じている心持ちで「Purpure」さんまで一人歩きました。

 

 

 

 

 

お店の入り口はこんな感じで、「CoCo」さんにも似てどこかゴールデン街にある二階のBarの入り口を思わせるもの。

女装店マップがなければお店があることに気が付かずに通り過ぎてしまうかもしれません。

そんな隠れ家感のあるお店が、最近のわたしの好みにぴったり。

 

 

 

 

 

 

 

店内はカウンターのみで10席ほど。

このこじんまりした感じが何とも居心地が良くて、当夜いらっしゃった女装もされるというB面(=Before、男性)姿のベテランの方と、ママのゆかりさんと三人でゆったりとした気分で楽しくおしゃべりさせて頂きました。

 

そのベテランの女装者でもある男性姿の方はここの常連客だそうで、他の女装Barも数ある中でこの「Purpure」さんがお気に入りで、二丁目で飲む時はほとんどここなのだそう。

 

コロナ禍前までやっていたというお店の女装さんの写真を用いたカレンダーの制作をされていたそうで、壁に貼られた何枚かの女装の方のポスターの一つがこの方のA面(=After、女装)姿で。

80’sのアメリカンポルノをイメージしたというダイナマイトボディにウェーブヘアの”クール”で美しい女装姿です。

 

最近撮ったという他の写真も何枚かケータイで見せてくださいましたが、屋外での”クール”な下着姿など、どうやって撮影したのかと思わず食いついてしまいました(^^;

やりきると、何でもクールさ、格好良さってあるんだなって思いました。

 

また、わたしが神奈川県在住で、新宿二丁目は楽しいけど少し遠いのだというお話をすると、町田市あたりに「町田会」なる女装者の集まりがあって、毎回30人くらいで公園に集まったり飲みに出かけたりするというような情報も頂きました。

 

お話の中ではわたしの家から頑張れば歩いて行ける大きな公園の名前も出てきたり。

意外と身近なところにも女装の方のコミュニティがある!?

 

うーん。この場合、近すぎて良いのかどうかよく考える必要もありそうですが(^^;

思いもよらない情報を頂くことが出来ました。

 

 

 

 

マンボーで出陣前(笑)に撮った写真です(^^;

 

このピンクのショートボブも、褒めていただきました。

 

わたしが女装で街を歩こうとすると、普通の”女装らしい”黒髪や栗毛の女性姿を装ったとしても、どうしても180cmある身長のために悪目立ちするし、結局”女装である”ことが容易に知れる気がするんです。

 

べつに悪いことをしているわけではないのでそれは良いのですが。

女性を装っているのにそれがバレるという構図は、見せたくない舞台の袖が見えているようで落ち着かない。

尻尾をつかまれているような、ばつの悪さが付きまとうのです。

 

そこへ行くと、このピンクのショートボブは最初から「わたしは女装者だよ」と宣言しているようで、むしろ堂々としていて上述のばつの悪さがない感じがするんですよね。

 

無理に街に溶け込もうとするよりもその方が結果的に街に溶け込むことになる。

その方が良いし、似合っていると褒めて頂いてうれしかったです。

 

 

「この店はどうやって知ったの?」というお話になって、女装店マップを観て来ましたと答えました。

 

女装店マップには本当に助けられています。

 

寄る辺ない自宅女装者(笑)のわたしにとって、女装者が気軽に入れるBarがあるのだということだけでも砂漠のオアシスのよう。

そのオアシスが、見渡せばいくつも点在しているのが新宿二丁目という街です。

 

仕事上がりにB面姿で女装店を訪ねることもあるという話をすると、「手に女装店マップを持ってお店に入れば女装者か女装に興味や理解がある人だとひとめでわかるよね」というようなお話になりました。

 

なるほどです。

ここ「Purpure」さんにも時折、普通の隠れ家系Barだと思って入店してくるお客さんがいるそう。

ここが女装者の集まるBarだとわかって入って来たのか、それともなんの事前情報もなしに入って来てしまったノンケのお客様なのか。

当たり障りない話などで小ジャブを繰り出しながら、お客様の性向を探ることもあるそうです。

 

わたしも何度か経験があります。

新しく、初めて行くお店でB面姿の場合、席についてすぐに「実はわたしも女装をする者で」と自己紹介をして、ようやく双方が落ち着くといった感じです。

 

なるほどそういう時に女装店マップを握りしめて入店すれば、お店のママも声の掛け方に迷わない。

女装店マップにはそういう使い道もあるんですね(^^;

 

 

 

 

 

 

ママのゆかりさんが一緒に写ってくださいました。

とてもやさしくて懐深くてしゃべりやすい方で、お店の居心地の良さの理由の大部分はゆかりさんにあるように思います。

 

ゆかりさんは「粧」さんで長年ママを務められて、今は独立してこの店を持っているんだそう。

居心地の良さは「粧」さんのDNAにもあるのかもしれませんね。

 

楽しくおしゃべりをさせていただいて、帰りがけ、わたしの会計をベテランの女装の方が持ってくださると言って頂いて恐縮でどうしようかと慌ててしまいました。

行きずりでご馳走になってはご恩返しも出来ないので固辞しようとしましたが、結局、ご厚意に預かりました。

 

いつも書くことですが、女装界隈の人情味の篤いこの感覚がもう。なんとも言えない幸福感を与えてくれます。

とっても素敵なお店だし、ご馳走してくださったベテランの方は常連さんだということですのでね。

ぜひまた遊びに行きたいお店が、また一つ増えました。

 

当夜はマンボーで着替えるというパターンも試せたし、とてもいい夜となりました。

ゆかりさん、ベテランのMさん、ありがとうございました。

 

 

新宿二丁目、女装界隈。

行けば行くほど面白いし、女装というテーマで人とつながりあうことが出来るワンダーな街。

胸に沁みるような素敵な思い出が、またひとつ増えた夜でした。