新宿二丁目のMIXバー「香まり」さんへ行って来ました。 | 煮ても焼いても食えない。

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約10年越しに女装を始めたみちるさんのブログです。
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みなさんこんにちわ。みちるです。

昨晩、新宿二丁目の女装&MIXバー「香まり」さんにお邪魔して来ましたので、その様子など書きたいと思います。

 

 

 

 

 

 

 

新宿二丁目はゲイタウンとしての側面が強い街ですが。レズビアンやトランスジェンダーの方、そして女装の方の集うBarも集まっている不思議な街です。

この「香まり」さんは女装を含め、ビアンやトランスの方も立ち寄るMIXバーなんだそう。

まさに新宿二丁目らしいお店と言えそうです。

 

わたしは先日同様マンボー新宿総本店さんでお着換えをし、「香まり」さんへ伺いました。

 

「香まり」さんは先日お邪魔した「Purpure」さんのすぐ近く。新宿二丁目の中でも特に女装店の集まっているエリアにあります。

 

 

 

 

 

日曜の夜ということもあり、当夜はママのたかこさんと二人でじっくりおしゃべりしました。

店内はカウンターのみ7~8席ほど。必然的にお客さん同士の距離が近いので、お客さん同士の交流が生まれやすい空間。

 

たかこママさんとの話題にも上りましたが、サラリーマンが仕事帰りに寄る普通の飲み屋さんとの一番の違いは、この空気感。

女装店って女装をする方だったり女装に興味がある方が集まるお店なので、隣り合う人同士、必然的に会話が生まれます。

「おキレイですね。よくこのあたりお出かけとかされるんですか?」

「今日は〇〇さんで呑んで来て、ここ二軒目なんですよ」

などなど。女装界隈のお店の話などで盛り上がったり、お出かけ時のハプニングの話など、女装という同じトピックがあると話のきっかけもネタもふんだんにあるわけです。

 

普通の飲み屋さんの場合、隣のお客さんから声を掛けられることってまずないですし、あまり積極的に声を掛けてくるお客さんって何者?って警戒しちゃいますよね。

 

女装店って女装者にとっては、遠い親戚の家を訪ねるみたいな、そこにいる人たちが”他人じゃない”感じがある気がします。

 

 

MIXバーということですので、せっかくなのでレズビアンの方についての情報を少し聞いてみました。
 
女装店マップがあるように、ビアン店マップみたいなものもあるのでしょうかと聞いてみたところ、ラミネートされたA4のマップを見せてくださいました。
そこには12~3店舗ほどのお店が乗っていて、レズビアン専門だったり、MIXバーだったり、ビアンの方が安心してお酒を飲めるお店の名前が載っていました。
やっぱりあるんですね(^^;
 
女装店マップって明るい雰囲気というか、外向きに発信されている感じなんですが。ビアン店マップって秘匿物というか、ひっそりと存在している雰囲気です。
 
ゲイやレズビアンと女装の一番の違いは、前者は性的嗜好に基づいているということ。
要するに、自分が好きになるのは同姓の人だという前提がある。
 
それってとってもプライベートでデリケートな部分です。
 
女装者のわたしにとっても、もっとそういう人たちのことをちゃんと知らないといけないと思います。
 
とっても美人でかわいらしいビアンの方がいたとして、自分がビアンなのだと彼女が口にした際などに「美人なのにもったいない」的なことをさらっと言ってしまいそうじゃないですか。
でもその一言は相手の繊細な部分を踏みにじることになるんだと、たかこさんは聞かせてくださいました。

 

概念としてゲイやビアンの方のものの感じ方をきちんととらえておかないと、思わぬところでいつの間にか相手を傷つけかねない💦

なるほど、MIXバーってそういうことを実践的に学べる社会勉強の場所としても機能しているみたいです。

 

こういうのってとっても大切ですよね。

 

まして、LGBTQという言葉がめずらしくなくなりつつある世の中です。

実際に様々な人々がいて、様々なものの感じ方をしている。

それを知る機会が、こういうバーにあるんです。

社会勉強の必修単位にしなきゃいけないくらいのことじゃないかと思ってしまいます。

 

 

 

 

 

 

 

じつはわたし的にこの夜おおきなトピックがあって、実はこの時、ブラジャーをせずに女装外出を初めてしたのでした。

 

女装が大好きなんですが、ずっと気になっていたんです。

ブラジャーをつけ外しする時にだけ異様に感じる違和感があるんですよ。

 

別に、胸にしこりが・・・みたいな違和感ではなくて。

なんかこう、嘘の塊というか。

 

自分がきれいになりたいのに、自分であることをまず否定して入っているような、相容れない気持ちがするんです。

 

 

女装って、基本的に”変態遊び”だと思いますが。

 

変態遊びって、ワクワクする楽しい変態性と、鼻をつまみたくなるようなものと二種類ある気がします。

わたしにとってはブラジャーの装着って、初めて女装をした日から今に至るまで、違和感なんです。

絶対に嫌だ、というほどではないし、写真映えは良くなるので良いんですがずっと気になっていました。

 

女装者の方によっては、「”下着女装”こそが女装なのよ!」っていう人もいますよね。

 

女性の下着をつけることがたまらなく快感なのだという気持ちがあるんだとして、ワクワクする変態性として想像できなくはないし、解らなくはないです。

 

ただ、わたしにはそれはないんです。

 

 

たびたび書いていますが、わたしの女装は小さなころに欠落していた自己肯定感や自己愛を埋め合わせるためであり、具現化された自己愛だと自認しています。

 

ブラジャーをつけるという行為がどうしても、男性として生まれた自己をまず否定しようというメタファーを感じさせるからでしょうか。

 

あくまでわたしがわたしのまま、ありのままで美しくなりたいと思っているのかもしれません。

 

とはいえ、大羊堂さんで初めて女装をさせてもらった時に「ブラジャーつけたくない」と言ったところ、「絶対に付けた方が見栄えが良い」とお勧めされ、確かに女装=女性を装うという意味で完成度が高まるし、変身した感じは楽しいものがあります。

今後も女装写真を撮るならブラジャーをつけて胸を盛ると思います。

 

ただ、自分の中にある違和感は間違いないもの。

この夜はそれが何なのか、絶対的なものなのかそうでないのか、そういったものを試す機会でもありました。

 

やってみて、当夜の感想を言うなら「わるくない」という程度でした。

自分は絶対にこれが良い!と言い切るほどの何かはありませんでしたが、じぶんの体に嘘を盛り付けていないすっきりした心持ではあるように思いました。

 

胸のふくらみで誰かを魅了したいわけでもないし。

特に、外出時にピンクのショートボブを選んでいる理由も、誰もが一目で女装者とわかるようにという意図もあります。

 

男だけどきれいな格好をして、きれいな自分というものを表現したいのだということ。

 

女性になりたいわけではないし、女性の美しさ、女性の肉体美、肉感というものには同じ土俵で戦うことは出来ないし、わたしがそれをやる意味はないと思うんです。

 

でも女性もののロングワンピみたいな長くてひらひらした衣装は大好きだし、ブラとは違って身に着けた時の違和感はない。

むしろ私服でも着たいくらいの”自分らしさ”みたいなものを感じます。

 

 

 

当夜、たかこママさんともこの話をしました。

 

お店のお客さんでも、すっごい美人の女装の方で、それでも自分は絶対にブラだけはつけないと言って譲らない方がいるというお話を聞かせてくださいました。

 

その方は、わたしよりも確固たる何かをお持ちなのでしょう。

 

いずれお会いしてお話を伺いたいものです。

 

 

 

 

 

いやはや。

女装界隈って本当に面白いなって、いつも思います。

他の人のお話を伺うのもそうですし、振り返って自分を知ることの大きな手掛かりも貰えているように思います。

 

昔、トヨタのCMで女性にしか見えないモデルさんがばっとガウンを脱ぎ捨てて、実は女装者・男性で「常識に尻を向けろ!」みたいなキャッチコピーが流れるCMありましたよね。

 

まだ自分が女装にはまるだいぶ前の話ですが。

 

あれにはドキッとさせられたなーと、いまさら思い出したりしています。

 

長文・駄文となりました。

最後まで読んでくださってありがとうございます(^^;

 

みちるでした。