みなさんこんばんわ。みちるです。
今宵はチャイナでメガネっ娘です(^^;
びっくりするぐらい可愛くないですね💦
可愛くないところが可愛い、というのは強弁でしょうか(^^;;
先日、友人の勧めで草彅剛さん主演の映画「ミッドナイトスワン」を観ました。
今宵はこの映画の感想などです。
観た人向けの内容ですので、まだ観ていない方で気になる人はまず映画の予告を見てください。
気になった方は本編を見て、それから以下の感想を読んでくださると幸いです。
ネタばれを含むので、先に以下を読まないことをお勧めします。
「ミッドナイトスワン」を観た感想です。
正直なところ、観ていてかなり辛い映画でした。
以下はわたしの主観ですので、ぜひ客観的に読み下してください。
そのうえで、別の意見や感想などあったらコメントを頂けると嬉しいです。
この映画を観て。
ストーリーとしては、報いのない生活の中で一縷の希望を見出したトランスジェンダーの話なんだなと理解しました。
作品の中では、トランスジェンダーの存在自体が切なさや哀しさの集合体として描かれている。
自分の生まれた姿を呪い、ようやく性転換したら親や世間から罵倒される存在になっている。
「この怪物が!」というセリフがいかにも突き刺さります。
生身の体を切り裂かれるような痛みのあるセリフです。
希望として持ち上げられるイチカの方も逃れられない毒親との関係の中で、バレエという希望を見出す。
イチカの希望がナギサの希望として重なっていく様が、この話の本筋となっていく。
「堕ち始めたらとまらないわよ」というセリフも重い。
場末のショーパブで男に希望を見出し、良いように使われて身をやつすトランスジェンダーの哀れ。
希望にすがりたい気持ちが絶望に繋がる罠に足を踏み入れさせてしまう。
ナギサが体を売るシーンも、見ていて辛かったです。
主観的に見れば、「可愛い女の子に生まれたかった自分」がトランスジェンダーになって「可愛い女の子」になったのに、その「可愛い女の子」である自分をゆきずりの客にカネで売る。
ようやく手に入れた「純潔な自分」をドブに捨て、他人の性欲処理の道具にされる事なんて、人間を辞めるくらいの覚悟がないと出来ない。
そしてトランスジェンダーには、覚悟を決めて突き進む程に地獄が待っていることが描かれる。
肉体改造で山のような借金が出来、メンテナンスするカネに事欠けば作り物の肉体は崩壊する。
ナギサが最後に見たものは、自分がなりたかった女の子の姿。
女に生まれていれば、生まれたその日から持っていたのに。
「どうして私たちばっかり、こんなに酷い目に遭うの!」
というセリフも、胸に突き刺さりました。
わたしはこの映画を観て、単純に、自分はトランスジェンダーじゃなくて幸せだと思ってしまいました。
おなじ女性装者だけど、性転換を絶対的目標にするかしないかで両者は決定的に違います。
クロスドレッサーは女装してキレイで可愛い自分になれれば、実際の性別は男のままでもかまわない性質です。
一方、トランスジェンダーは、性転換にこだわる事で地獄を見る。でもたとえ地獄を見たとしても、彼女たちは男のままで暮らし続ける事が耐えられない。
作品の中の彼女たちは、幸福な未来を得る事はありませんでした。
彼女たちにとって、生きるという事は体と心の両方から大量の血を流し続ける事なんだろうなと思う。楽しい瞬間はもちろんあるだろうけれど。
常に残酷な現実しか目の前にないから、一縷の希望がとてつもなく大きいものに見えたのだろうなと思います。
現実が辛苦ばかりなら、せめて作品の中では幸せにして欲しい。わたしならそう思います。