ラツーダについて 副作用など〇 | 大人と子ども こころの専門医ブログ〜名駅さこうメンタルクリニック

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『名駅さこうメンタルクリニック』
名古屋駅近くの精神科・心療内科です。
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 ラツーダは非定型抗精神病薬であり、セロトニン受容体、ドーパミン受容体とも作用するSDA(セロトニン・ドーパミン拮抗薬)に分類されます。

 

 

 幻覚・妄想など陽性症状に効果を持つだけでなく、抗うつ作用、抗不安作用、認知機能の改善効果を認めます。

 鎮静効果はマイルドであり、眠気や身体の倦怠感といった副作用は少ない方ですが、言い換えると、強い興奮状態を抑えるパワーは弱いかもしれません。

 

 

 副作用も従来の抗精神病薬に比較して少ないです。

 

 

 

丸レッドラツーダ

 

・ドパミンD2受容体:アンタゴニスト(拮抗)

 

・セロトニン1A受容体:パーシャルアゴニスト(部分作動)

・セロトニン2A受容体:アンタゴニスト(拮抗)

・セロトニン7受容体:アンタゴニスト(拮抗)

 

 

 

丸ブルードパミンD2受容体をブロック 

➡幻覚・妄想の改善

 

 

丸ブルーセロトニン1A受容体への作用

抗うつ作用、抗不安作用、認知機能の改善

 

 

丸ブルーセロトニン2A受容体をブロック

 ➡セロトニン2A受容体はドパミン放出を抑制する作用があるため、ブロックすることでドパミンの放出↑ 

 ➡陰性症状の改善、錐体外路症状の軽減

 

 

丸ブルーセロトニン7受容体

 ➡抗不安作用、抗うつ作用、認知機能の改善の効果

 

 

【副作用】

 
一般的な抗精神病薬の副作用のリスクがあります。
 

   ・ドパミン受容体を過剰に遮断するためにおこる副作用

    ➡錐体外路症状や高プロラクチン血症

 

   ・鎮静による副作用➡眠気やふらつき

 

   ・代謝系異常➡食欲亢進、糖尿病、体重増加、高脂血症

 

   ・薬剤全般的に起こりうるリスク➡肝腎障害、薬剤性アレルギー など

 

 
 
 
 そのうち、
 

 眠気や食欲増加をきたすヒスタミンH1受容体阻害作用や、便秘・口の渇きに関連するムスカリンM1受容体阻害作用は比較的弱いです。

 

 そのため、食欲増加、肥満など代謝系異常は起こりにくいと言われています。(統合失調症患者さんには高脂血症、糖尿病など代謝系疾患の方の割合が多いため、非常に大事です!)

 

 また、その反面、アカシジアのような錐体外路障害は起こりやすいとの報告もあります。(クエチアピン、リスペリドン、アリピプラゾールと比較してリスクに差はないという報告もある。)

 

 

 

名駅さこうメンタルクリニック

丹羽亮平

 

 

 

 

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