2022は生観劇の日が中止になった事はなく、運がよかったと思います。

ブログは書いていなかったので思い出しの感想です。

星組　御園座

『王家に捧ぐ歌』

ことちゃんは適役とは思えないラダメスを演じましたが、歌で黙らせてしまう表現力がありました。初演から星組、宙組、星組と観てきましたが、歌詞が明瞭で心に刺さると感動もひときわ大きいです。世相は戦争が始まった頃で、ぐっと迫ってくるものがありました。自分を客観視できているような冷静なラダメスでした。アイーダのなこちゃんは前半に観劇した時はおとなしい役創りと思いましたが、配信では情熱的な王女になっていました。みほちゃんのアムネリスは強くて、女心より国を司る勇ましさが印象に残りました。アムネリスの衣装はスパンコールがキラキラで配信より生観劇のほうがずっと綺麗でした。中止が多く観れた人が少なかったから再演できるといいです。

花組　梅田芸術劇場

『TOP HAT』

れいまどのダンスが華やかで眩しかった。宙組の「トップハット」と比べると濃くはないです。さらっとしているのが花組の個性かなと思います。マイティとくりすちゃんのコンビはお互いが反対の個性(マイティが淡白、くりすちゃんが濃厚)の演技なので、足して割るとちょうどよい感じでした。明るくて楽しいし、トップコンビは目の保養になる美しさでした。

花組　シアター・ドラマシティ

『冬霞（ふゆがすみ）の巴里』

ひとこちゃんの演技力に脱帽。まさか殺人するとは思わなかったし、捕らえられなくてそのことを隠されて生きていくのも混乱した時代を感じました。オクターヴの父を殺害された恨みはよくわかるけれど、人間の表と裏を見抜くことは難しかったのではないでしょうか。美咲ちゃんは血が繋がっていない年上の姉で、難役を自然に見せていました。フランス物のエスプリを感じる世界、退廃的でもある。オクターヴとアンブルの関係は、気付かないうちから心の中では恋人なのかも。危うい心情を見せてくれました。ほのかちゃんが黒っぽいイメージに変身していて新境地が見れました。愛蘭みこちゃんの清楚な歌と演技もよかったです。宝塚としては挑戦した演目だと思います。高いレベルに仕上がっていました。

星組　ライブ配信

『めぐり会いは再び next generation－真夜中の依頼人（ミッドナイト・ガールフレンド）－』

可愛いアニメ作品のようでした。王女の夫になるテストの内容が子供っぽくて、内容が薄いです。もう少し精神力を試すようなテストのほうがよかったのではないかと思いました。

ことちゃんは衣装が似合い、なこちゃんも可愛かった。

『Gran Cantante（グランカンタンテ）!!』

ショーは歌、ダンス共に技術力の高さを見せる場面が多く堪能できました。天寿さん、はるこちゃんの活躍も嬉しかった。お二人とも円熟していて、スターオーラがあり星組愛を感じました。

花組　宝塚大劇場

『巡礼の年〜リスト・フェレンツ、魂の彷徨〜』

リストはれい君にぴったりの役でした。自分がリストの曲を弾いていたのでとても期待していました。色々話が分散していて、生田先生の脚本は、一番言いたいことはあったのか、幾つかの言いたいことがあって、一つにしぼらなかったのかわかりません。

れい君のピアノ演奏の場面もかっこいいし、まどかちゃんとは絵になる美しさでした。

マイティのショパン、ひとこちゃんのジョルジュサンドもリストの行動に影響する重要な役で、絡みがちょうどよいバランスでした。

リストとマリーは再び結ばれることはないけど、宝塚版ではお互いがわかりあえたのでしょうか？史実とは違うけれど、二人の中にはかすかでもその感情があってほしいと思いました。想像したくなる余韻は残りました。

『Fashionable Empire』

マイティが主演に感じました。ガンガン踊って目立っていました。稲葉先生のショーは濃いかなと予想していましたが、かなり洗練された印象です。衣装が好みではなかったけど、ユーモアとパワーがありました。れい君とまどかちゃんは本当にお似合いです。ひとこちゃん、ほのかちゃんの出番が増えるといいです。

星組　全国ツアー

『モンテ・クリスト伯』

再演になり学生達のストーリー説明が無くなり、ありちゃんとぴーちゃんがそれを担当していました。場面が途切れずに進行の流れがわかりやすくなりました。台詞の変更は良くなっていたけれど、？の部分もあります。「一夜の火遊び」の台詞は他の表現にしてほしい。メルセデスがエドモンにアルベールが二人の子供だと伝えるのを何故あのタイミングで話したのか？色々と考えてしまうところはありました。

しかし暗い復讐話も重くなくて、最後は宝塚らしく収まり明るい気分になるのでした。

中止後の配信も見ましたが、代役さん達はとても上手で、本公演でも活躍してほしいです。

『Gran Cantante（グランカンタンテ）!!』

ことちゃんの歌、ダンス。なこちゃんのダンス、超絶スタイル。全国ツアーはさらにレベルアップしていました。せおっちはたくさん出番があり頑張っていました。ありちゃんはどこでも光って星組が似合うと思いました。

宙組　宝塚大劇場

『HiGH&LOW　－THE PREQUEL－』

スカイステージ貸切公演が当選しました。

真風さんを観るのが久しぶりで懐かしい気持ちでした。

原作の映像は見てないのですが、殴り合いが続くんですね。

ショーのように大階段からグループで降りてきて、スターの競演のようでした。

けんか場面での真風さんとキキちゃんの戦いは怖くはない。でも皆かっこいいのです。

悪に皆で立ち向かって戦い、街を守りたいのはよくわかる。

潤花ちゃんは死ななそうだけど、思いっきり演じていて爽やかで可愛い。

留依蒔世君を見れたのが収穫、退団は惜しくて凄い才能の持ち主でした。

『Capricciosa（カプリチョーザ）!!』

-心のままに-

イタリアの色、赤、緑、白。すっきりした色彩の衣装、過去の作品に似たような場面のところもありました。

コーラスが綺麗で、ダンスの郡舞も揃っています。

ずんちゃん、もえこちゃんの歌が聴けてよかった。

リラックスして観れました。

エトワールの留依蒔世君が素晴らしかった。

花組　全国ツアー

『フィレンツェに燃える』

人間の煩悩をどう生きるのか、押さえられない感情と理性。深いテーマが潜んだ作品でした。

パメラの死は観る前から知っていましたが、オテロの銃で撃たれたとはわからなくて、驚いて心臓麻痺で倒れたのかと勘違いしていました。

初演では剣で刺したようなので、わかりにくくなっていたと思います。

芸術性のある文学作品です。脚本演出のアレンジがもう少しされるとよかった。台詞も昔風な言葉がそのままなところがあるので、変更されていると理解しやすかったと思います。

まどかちゃんの演技は特に上手くなったと感じました。以前は時々気になった早口もありませんでした。れい君は辛抱役ですが静の魅力がありました。マイティも熱演でしたが、れい君とマイティは意外にも芝居の相性は合うとは思えなかったです。ひとこちゃんは出番は少ないけど儲け役でした。

『Fashionable Empire』

大劇場でも観たので2回目でしたが、ご当地の方言やアドリブを頑張っていて楽しかったです。

まどかちゃんの鬘が全部変わって新鮮でした。

れい君とマイティはダンスになると相性がピッタリです。ひとこちゃんと3人並ぶダンスも見事です。

侑輝大弥君が沢山出ていてかっこよかった。

王冠を買って振り付けもあり、舞台と客席が一体で盛り上がりました。

星組　宝塚大劇場

『ディミトリ～曙光に散る、紫の花～』

生田先生の前作「リスト・フェレンツ」より完成度が高いと思いました。説明不足はあるけれど、ことなこコンビも充実していて見応えがありました。誰でも宿命を受け入れて行くのは過酷なことです。悲劇の中に大切な気持ちが伝わる物語でした。ジャラルッディーンが悪役に見えず、アヴァクのほうが悪役に見えてしまいました。原作ではルスダンがジャラルッディーンにディミトリを送ることを知らせたようです(ディミトリの命が助かるように)が、その場面がないから、後にルスダンがディミトリに会えてよかったと言う場面で、ルスダンが幽閉したのにと、違和感を感じてしまう人はいると思います。せおっち、あかさん、ありちゃん、ぴーちゃん、みほちゃん、それぞれが印象に残り、他全員がよかったです。ジョージアダンス、衣装、セットのセンスが好みでした。

『JAGUAR BEAT－ジャガービート－』

見る前から意味不明との噂だったけれど、普通に楽しかったし全くびっくりしなかった。衣装も派手で好き、何処から誰が出てくるのかワクワクして観ました。自分が見た齋藤先生のショー作品の中では最も好きです。宝塚は色んなタイプのショーが見れるから齋藤先生のショーも際立つと思います。これからも斬新なショーを作ってほしいです。

どの公演も満足できました。ほぼ遠征なのに結構見れて幸せでした。見れることが普通ではなく有り難いです。