「ビタミンD」不足していませんか? | 分子栄養学のススメ

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分子栄養学の確立者である三石巌によって設立された会社“メグビー”のブログです。

■ビタミンDとは


ビタミンDは、油に溶けやすい「脂溶性ビタミン」の一つです。

ビタミンD2〜D7の6種類ありますが、人体に重要なのが植物由来の「ビタミンD2」と動物由来の「ビタミンD3」の2つです。

ビタミンDは「サンシャインビタミン」とも呼ばれ、食事や栄養補完食品から摂る以外に、日光を浴びることで身体の中で合成できます。

そのため、日光に当たる機会が少ないと不足しやすくなります。


■ビタミンDの働き

・健康な骨を作る
ビタミンDは、腎臓で活性化されて、腸管からのカルシウムやリンの吸収を促進します。
これにより、血液中のカルシウムの濃度を高めて、破骨細胞(※)の働きを抑制することで骨を丈夫にし、骨折を予防します。
※破骨細胞とは?
骨の中には、「破骨細胞」と「骨芽細胞」とがあり、破骨細胞が古くなった骨を溶かし  (骨吸収)、骨芽細胞がカルシウムなどを付着させて骨をつくり(骨形成)ながら元通りに修 復します。

ビタミンDが不足するといくらカルシウムを摂ってもカルシウム不足状態となり、子供では「くる病」、大人では「骨軟化症」になる可能性があります。
高齢の方は、ビタミンD不足が長く続くと骨粗鬆症のリスクが高まります。

・筋力の維持と増強
筋肉には、ビタミンDの受容体(レセプター)があり、筋肉のタンパク質合成を促進します。ビタミンDが不足すると、筋トレをしてもタンパク質が取り込まれず、筋力がつきにくいと言われています。

・免疫機能の調節
ビタミンDは、免疫細胞の「カテリジン」や「 β-ディフェンシン」というタンパク質(抗菌ペプチド)の産生能を高め、体内から細菌やウイルスなどの病原体を排除する力を強化します。
また、過剰な免疫反応を抑制し、免疫機能を促進する働きがあります。

これらの働きによって、花粉症などのアレルギー症状の軽減、風邪やインフルエンザ、気管支炎や肺炎などの感染症の発症・悪化予防にもつながります。

新型コロナウイルスの発症・重症化の予防や心疾患、糖尿病、高血圧、自己免疫疾患、ガン、うつなどのリスク低減にも関係していると言われています。

 

■ビタミンDの体内合成と活性化

 

 

※腎臓の機能不全がある場合は、活性型へ変換することができないため、医療機関では活性型ビタミンD(ワンアルファ、エディロールなど)が処方されています。

ビタミンDを体内で作るためには、食事に加えて15分〜30分程度の日光浴を行えば良いと考えられています。
ただし、年齢とともに皮膚におけるビタミンD産生能力が低下するため、食事からの摂取強化が必要になります。
 
■ビタミンDの摂取目安量

厚生労働省 日本人の食事摂取基準(2020年版)では、1日の摂取目安量が18歳以上の男女ともに8.5㎍(マイクログラム)、耐用上限量が100㎍と設定されています。
多量摂取を続けると、高カルシウム血症、腎障害などの健康障害が起こる可能性があるため、耐容上限量が設定されています。

■ビタミンDを多く含む食品
ビタミンDは、きのこ類「ビタミンD2」や魚類や卵「ビタミンD3」に多く含まれています。
 
・さけ (70g):22.4㎍
・さんま (1尾 80g):10.4㎍
・サバ (100g):4.9㎍ 
・うなぎ蒲焼 (100g):19㎍
・干ししいたけ (1個 2g) :0.3 ㎍
・舞茸 (10g):0.5㎍
・エリンギ (1本 100g):1.2㎍
・しめじ(100g):1.1㎍
・鶏卵(1個・60g):2.3㎍
参考:「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」
 
ただし、ビタミンDを多く摂れば良いというわけではありません。
ビタミンDは腎臓や肝臓で活性型ビタミンDに変換されることで効果を発揮するため、肝臓・腎臓などの機能維持が重要です。

そのためには、ビタミンD以外に、良質タンパク、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンE、ビタミンK、ミネラル(カルシウム、マグネシ ウム、鉄、亜鉛、セレン、クロム、マンガン、 銅、ヨウ素、モリブデン)などの摂取も欠かせません。

ビタミンD不足に陥らないためには、栄養補完食品を上手に利用していただく方法もおすすめです。