質の良いタンパク質とは?その摂り方について | 分子栄養学のススメ

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分子栄養学の確立者である三石巌によって設立された会社“メグビー”のブログです。

■なぜタンパク質が必要なの?

タンパク質は生命をつくる栄養素です。
ヒトの身体は、水分を除くとほとんどがタンパク質で、骨格や筋肉、内臓、皮膚、毛髪、脳や血管など、あらゆる細胞・組織をつくる材料となります。
また、食べ物の消化・吸収をはじめ、体内で起こる化学反応の触媒となる酵素、身体の機能を調節するホルモン、脳の命令を身体に伝える神経伝達物質、さらに細菌や病原体から身体を守る免疫細胞、酸素を運ぶ赤血球、遺伝子などをつくる材料としても使われます。
食物から摂取したタンパク質は、アミノ酸に分解されて吸収された後、身体に必要なタンパク質に再合成されます。

■タンパク質が不足すると?

□疲れやすい、疲れがとれない
□風邪をひきやすい、治りにくい
□肩こり、膝痛、腰痛、関節痛などがある
□むくみや冷えがある
□太りやすく、痩せにくい
□寝つきが悪い、不眠の症状がある
□シワやたるみが目立つ
□髪のつやがない、爪が割れやすい
□貧血
□胃痛や胃もたれがある
□耳鳴りやめまいがする
□イライラしやすい、気分が落ち込みやすい


■タンパク質は「量」より「質」が大切

食品に含まれるタンパク質はすべてが良質とは限りません。
タンパク質の「質」はアミノ酸の種類と量で決まります。
ヒトの身体を構成しているタンパク質は、20種類のアミノ酸からできています。
このうち、9種類のアミノ酸は体内で合成すること ができないため、必須アミノ酸(不可欠アミノ酸)と呼ばれ、食物から摂取する必要があります。 
あまり知られていませんが、食品に含まれるタンパク 質すべてが良質とは限りません。
食品に含まれるタンパク質が「良質タンパク」かどうかは、その食品中の必須アミノ酸(不可欠アミノ酸)組成がヒトに必要なアミ ノ酸の種類や量に近いかどうかで判断します。 

アミノ酸の種類や量に不足があると、それに見合った量しかタンパク質をつくることができません。


■タンパク質の「質」を評価するプロテインスコア

私たちが日常的に口にする食品の中に、100点満点のタンパク質を含んだものはあるのでしょうか。
弊社では、タンパク質の「質」を評価する指標として、プロテインスコアを重要視しています。
プロテインスコアとは、1957 年に FAO(国連食糧農業機関)によって提示された食品中のタンパク質の品質を評価するための指標で、卵および牛乳のアミノ酸組成から導かれています。
数値が高いほど良質タンパクを多く含み、プロテインスコア100にあたるのが卵です。


■良質タンパクは1日にどのぐらい必要?

体重1㎏あたり1gの良質タンパクが必要です。
例)体重が60㎏の場合、60gの良質タンパクが必要です。


普通の食品でタンパク質をたっぷり摂取すると、カロリーオーバーや栄養素の偏りにつながります。
 

 ■タンパク質づくりには、ビタミンやミネラルも必要

食事から摂取したタンパク質が、身体の組織や器官づくりにスムーズに活かされるためには、ビタミン(ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンK)やミネラル(カルシウム、マグネシウム、亜鉛、セレン、マンガンなど)が欠かせません。

良質タンパクが不足していると、どんなに他の栄養素を摂取しても、それが働けない状況が確立されてしまいます。
その結果、ビタミンやミネラル不足の状況を引き起こしやすくなります。
身体の機能を維持するためには、良質タンパクの補完が欠かせません。

参考図書