新型コロナウイルスの感染者数が毎日発表されていますが、検査数の違いや陽性率など何が正確な情報なのかわからない状況にあると思います。また、感染経路が分からない感染者が多くなり、市中感染が起きて、すぐ近くに新型コロナウイルスが迫ってきている様な気もします。
今回は収束しないこのコロナ禍で健康とは何か考えてみようと思います。
〇健康をレベルで考える
「病人にも健康があり、その「レベル」が低いだけです。病気になってもそうでなくても、健康レベルの低い日も高い日もあります。命のある間は健康があるわけで、死ぬときに初めて、健康レベルが、ゼロまで下がると考えることになります。
こう考えると、健康管理とは健康レベルを高めることであり、それも、極限まで高めるための努力である。と定義してよいのです。」
と三石は書籍に記しています。
健康をレベルで考えることにより、健康というとても曖昧な言葉を可視化してくれたのではないかと思います。
それでは健康はどうやってチェックすればいいのでしょうか?
よく聞くのは「快食・快眠・快便」です。さらに風邪のひきやすさを加えた4項目が一般的と思います。
しかし、それだけで健康といえるのでしょうか?
コロナ禍で感染の有無以外に問題とされたのは、外出自粛による運動不足で筋力が低下したりやコロナ鬱などの心の問題です。
WHO憲章によれば、「健康とは病気や虚弱でないだけでなく、肉体的にも精神的にも社会的にも、完全に良好な状態にあることを意味する」とあるそうです。
三石はこのように述べています。
人間という動物は他の動物と違って大なり小なり何かの目的をもって過ごしています。その目的を果たすにあたって、幸福感を覚え、しかも、しんどいと思うことなく、すべてが快適にスムーズに進行するなら何も言うことはありません。このようなとき、私の言う健康レベルが高いとして良いでしょう。その最高値を極限までもっていくのが健康管理の目標だと受け取っていただきたいのです。
〇分子栄養学で健康を考える
遺伝子の成り立ちは人によって異なる。まったく同じ遺伝子を持っているのは、一卵性双生児だけ。
タンパク質について考える場合、遺伝子の個体差を無視するわけにはいかない。それが遺伝子の指令によって出来上がっている以上、体内のタンパク質構造も一人ひとり異なっている。
一人ひとり遺伝子が違い、タンパク質に個体差があるなら、栄養素の摂り方もそれに応じたものでなければならない。
分子栄養学とは「個体差」の栄養学なのである。
栄養相談の際に「私は何をどれくらい飲めばいいのでしょうか?」とご質問を受けることがあります。しかし、私たちは様々な栄養素の目安摂取量をお伝えすることはできますが、個体差を測ることはできないため、一人ひとりの必要量は示すことはできません。
遺伝的な弱点は人によって千差万別だから、どんな栄養素をどれだけ摂取するべきかは人によってまちまちである。
ビタミンの必要量にもかなりの個体差がある。AやEなどの脂溶性ビタミンで10対1、CやB1などの水溶性ビタミンでは100対1もの開きがある。
と三石は書籍に書いています。
それではどうやって健康レベルを上げるための栄養素の必要量を見つければいいのか?
それはまず、自分の身体の弱点を知らなければなりません。自分自身の弱点がわからなければ、両親の体質が参考になると思います。
例えば両親が目の病気をしていると、自分も同じ弱点を持っていると考えられます。それが分かれば、弱点の克服に必要なタンパク質やビタミンA、ビタミンCなどを多く摂るように対策することができます。
健康の自主管理はけっして簡単なことではない。どんな弱点にはどんな栄養素がどれだけ必要なのか、正確な知識を身につけることが肝心である。マスメディアに氾濫する情報はそこまで面倒見てくれない。
専門的なことはむずかしくてよくわからないと敬遠せず、しっかり勉強する意欲を持ってもらいたいものである。
近年、健康に関する情報が溢れています。
自分の健康レベルを上げるために正しい情報は何か選択できる知識を土台として持っておく必要があると思います。
コロナ禍で自分を守れるのは自分自身だけです。ぜひ、自分自身と向き合ってみてはいかがでしょうか。