ユビキノンにはどんな働きがあるか | 分子栄養学のススメ

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分子栄養学の確立者である三石巌によって設立された会社“メグビー”のブログです。

三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。

 

ユビキノンにはどんな働きがあるか

 ユビキノンは、ビタミンE、ビタミンKとよく似た物質であるから、ビタミンとよばれる資格がありそうだ。しかし、体内で合成される物質は、ビタミンとよばれないというだけの意味で、ユビキノンはビタミンでない。
 ビタミン一般の働きがそうであるように、ユビキノンの主要な役割は助酵素である。それぞれを、「助酵素Q」とよぶ。英語では「コエンザイムQ」である。コエンザイムQが体内で合成されるとき、原料は恐らくビタミンEであろう。したがって、ビタミンEの服用はコエンザイムQの服用とほぼ同様の意味をもつ。
 生体がブドウ糖や脂肪酸の酸化によってエネルギーを発生する代謝において、コエンザイムQは重要な助酵素としての役割りをもっている。したがって、コエンザイムQを服用すると、心筋や骨格筋の機能がよくなる。
 心臓が悪いとき、心筋のなかでエネルギー発生が低下している。ここに、コエンザイムQを与えると、呼吸困難、不整脈、動悸、息切れなどが改善される。心臓の拍出量の増大、血圧の下降などもみられる。ラットはビタミンE欠乏食で筋ジストロフィーを起こすが、このとき、血中コエンザイムQの量が低下している。コエンザイムQは、歯槽膿漏の予防ないし治療に、ダウノマイシン、アドリアマイシンなどの「抗ガン剤」の副作用の防止に使われる。


〔三石巌全業績−11 健康ものしり事典より抜粋〕