洗剤はなぜ悪いか | 分子栄養学のススメ

分子栄養学のススメ

分子栄養学の確立者である三石巌によって設立された会社“メグビー”のブログです。

三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。

 

洗剤はなぜ悪いか

 洗剤がすべて悪いのではない。悪者とされるものは、ABS系、LAS系が主である。洗浄力をますために添加されるリン酸も問題であるが、これは、基剤のABSやLASの害とは全くちがって、汚水の「富栄養化」である。リン酸を大量にふくむ水は、これを栄養とするプランクトンの異常増殖をおこし、「赤潮」を発生させる。ABSやLASは、いわゆる「界面活性剤」である。このものは、界面破りといってよく、リゾゾームにたどりつけば、リゾゾーム膜を破って内部の酵素をひきずりだす。赤血球にとりつけば、これをこわす。「溶血」とよばれるいたずらをするのである。

 ABSやLASの害作用はそれだけではない。酵素の形成を阻害するのである。これは、酵素活性の阻害とよばれる。酵素の活性を阻害すれば、それの担当する代謝は阻害される。代謝のトータルは「生命」にほかならないから、ABSやLASは生命の阻害者といってよい。中性洗剤による湿疹を「主婦湿疹」というが、これは、ABSやLASが、皮膚の細胞に侵入して、リゾゾームからリゾゾーム酵素をひきだし、細胞を自己消化したものである。

 

〔三石巌全業績−11 健康ものしり事典(絶版)P224より抜粋〕