三石巌の書籍で、現在絶版して読むことができない物の中から、
その内容を少しずつですが皆様にご紹介させていただきます。
コラーゲンとは何か
骨や皮を煮るとゼラチンがとれる。これは、われわれ人間についてもいえることだ。煮てゼラチンになる物質を「コラーゲン」という。日本語でいえば、これは「膠原」である。コラーゲンはタンパク質の一種である。
コラーゲンを組み立てるアミノ酸のうち、「プロリン」と「リジン」とには、水酸基の枝がついている。その枝をはやす代謝には、助酵素としてビタミンCが登場する。ビタミンCがなければ、まともなコラーゲン分子はできないということだ。
コラーゲンは繊維状タンパクである。その線維が三本まとまって三つ編み状になっている。これを「コラーゲンへリックス」という。へリックスとはらせんの意味だ。コラーゲンへリックスは全体としてらせん型になっている。前述の水酸基の枝がないと、この構造にならないのである。三つ編みのへリックスにならないコラーゲンはまともではなく、強度が不足する。
コラーゲンは、硬骨でも、軟骨でも、結合組織でも、主成分になっている。これがまともにできないと、硬骨も、軟骨も、結合組織も弱い。ぎっくり腰も、脳出血も、原因は不完全なコラーゲンにある。
〔三石巌全業績−11 健康ものしり事典(絶版)P124より抜粋〕