47 高タンパクとビタミン 〜摂取すればするほど健康に〜 | 分子栄養学のススメ

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分子栄養学の確立者である三石巌によって設立された会社“メグビー”のブログです。

 香川靖雄という人がいる。女子栄養大学をおこした香川あや子女史の長男で自治医大教授だ。この先生は『タンパク質をとりすぎている人は世界中にいない』と書いたことがある。ボクの意見もおんなじだ。

 からだはフィードバックシステムだってことを前に書いた。それがまともに働けば、いるだけのNK(ナチュラルキラー)細胞がつくられるって話のところだ。

 DNAが暗号文になっていることも書いた。フィードバックをうけもつのは酵素だ。その酵素の設計図は暗号文のかたちでDNAにおさまっている。

 そこでフィードバックのためには、まず暗号文の解読をせにゃならん。その解読も酵素の役目なんだな。

 キミは酵素がタンパク質だってことを知っているはずだ。タンパク質がなかったら暗号もとけないということになるんだ。高タンパク食を実行していないと、どんなトラブルがおきても不思議はない。これがボクの持論だ。

 からだはとてもうまくできているんで、まずいことがあっても、ごまかして切り抜けてくれる。きんさん・ぎんさんは背中がまがって全体がちいさくなっているだろう。体質にめぐまれているから、あれでも元気でいられるんだよ。

 それじゃあ体質とはいったいなんだ?これは、ボクの分子栄養学でかたづく問題じゃないが、つぎのことだけはいえる。

 ビタミンの必要量はひとによってちがう。そのちがいは一対一〇〇ぐらいとボクはみるんだな。ビタミンにはいろいろある。どのビタミンも必要量が一っていう人は、日本人だったら、四万人に一人ほどじゃないかな。なにが根拠かときかれたら、百歳以上の人口だといっておく。

 ビタミンの必要量がいくらかをつきとめるのはむりだ。そこでボクは、じぶんが一〇〇だとする。ということは、ビタミンをあびるほどとるってことさ。

 酵素が助手としてビタミンをほしがる場合の多いことは、もう話した。ボクの栄養学には『フィードバックビタミン』『フィードバックミネラル』ってことばがでてくる。

 フィードバックビタミンをならべよう。A・B1 ・B2・B12・C・E・ニコチン酸・パントテン酸・葉酸・ユビキノン。

 フィードバックミネラルもならべておく。ヨード・マグネシウム・亜鉛。

 ここまでわかったら、健康正常化のため、毎日なにを食わなければならんが、心のそこから納得いくだろう。

 

 

本原稿は、1994年12月9日に産経新聞に連載された、三石巌が書き下ろした文章です。