35 NK細胞とストレス 〜40代になったら活性酸素対策を〜 | 分子栄養学のススメ

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分子栄養学の確立者である三石巌によって設立された会社“メグビー”のブログです。

 前にも書いたが、逸見政孝さんは身をもって、がんの悪役ぶりをわれわれの心にたたきこんでくれた。専門医の近藤誠先生は本をかいて、がんの前での医者先生の力ぶそくをあばいてくれた。

 がんは現代の悪魔である。いったんこいつにつかまったら、まず半分はだめだ。あわてて病院にかけこんだところで、助けてもらえる確率は二分の一ぐらいのものだろう。

 じゃあ、キミはどうするか。がん患者ないとしてだよ。いっておくが、キミが、がん候補者だってことはまちがいないんだよ。

なによりもまず、キミはストレスをさけなければならん。過労はダメだ。

 しまつのわるいのは精神的なやつだ。脳みはさらりとすごすんだな。のんきにやるのが一番だよ。ストレスにつよい人間っていうのがいる。キミにもそう願いたいもんだ。そうでないと活性酸素はやたらにでるし、NK(ナチュラルキラー)細胞はへる。ダブルパンチなんだな。たまったもんじゃないだろう。

 ストレスというやつは予告なしにやってくるのがふつうだ。そのとき、さっと対策をたてる人間もいる。へたばってなにも手をうたない人間もいる。ここで手をうつとは、活性酸素対策をたてることだ。つまり、スカベンジャー(老化などの元凶とされる活性酸素をしまつする物質の総称)に手をだすことだ。

 三十代ならストレスがすごくないかぎり、まず大丈夫だ。体育のクラブでシゴキをうけても、学生ならまず大丈夫だ。うけあえ、といわれたらことわるがね。

 四十代のオヤジともなれば、ストレスにはよわくなる。十九年か二十年がたったあと「があん」とくる確率は小さくないだろう。救いの手はスカベンジャーだ。いまさら何をとったらいいかなんてきくなよ。さんざん書いてきたんだから。

 活性酸素がでてきたとき、どこの細胞のDNAがやられるのかは、やぶのなかだろう。がん細胞がよっぽどつごうのいいところにできなけりゃ、NK細胞の出番はないはずだ。だから、活性酸素のことをあたまにおくだけでたくさんなんだ。

 ことわっておくが、がん細胞の卵が一人前になるまでにかかる時間は平均十九年だってことになっているが、ヒロシマのばあい、二十年以上もあとに白血病になった人がいるようなわけで、この数字はあまりあてにならない。

 一方、NK細胞のほうはがん細胞がうまれてからの話で、がんの発生をふせぐなんてしごとに片棒をかつげるものじゃない。

 

 

本原稿は、1994年9月16日に産経新聞に連載された、三石巌が書き下ろした文章です。