高齢化が加速する中で、栄養の問題としては、健康寿命の延伸や介護予防の視点から、「低栄養」、「栄養欠乏」の問題の重要性が高まっています。
特に言われているのがタンパク質の強化摂取です。
私たちが当たり前のように摂取しているタンパク質の摂取がようやく世の中でも言われるようになってきました。
高齢者の中で特に目立つのが、大きな病気はなくても、食が細く、体力・免疫力が低下し、疲労感や歩行困難、ふらつき、睡眠障害など、とにかく虚弱な状況を伴っているということです。
このような状況(虚弱)を、“フレイルティ”と呼び、その中でも「筋力低下」を“サルコペニア”と指し予防を促しています。
「日本人の食事摂取基準(2015年版)」においても、「高齢者を対象とした定期的な栄養評価により、早期にそれらのリスクを察知し、適切な介入によりフレイルティやサルコペニアに至るプロセスを少しでも遅らせることが、今後の日本の医療には重要な視点である」という記載が追加され、栄養補充の有用性が確認されました。
今回のように、老化や高齢化の見方はずいぶん変わってきています。
予防は、心身の良い状態(健康レベル)を高く保つことができ、その結果、健康長寿者の増加、医療や介護の費用の抑制などにもつながることでしょう。