寝たきりから痴呆へ ~ お年寄りに多い脊椎圧迫骨折を予防しよう ~ ③ | 分子栄養学のススメ

分子栄養学のススメ

分子栄養学の確立者である三石巌によって設立された会社“メグビー”のブログです。

(2)治療やリハビリの補助、合併症の予防



●体の機能向上(体力、免疫力の向上)

長期臥床(寝たきり状態)によって起こるさまざまな合併症(筋力の低下や睡眠の乱れ、感染症、精神症状など)を予防していく為には、体内で行われているさまざまな働き(代謝)がスムーズに行える体内環境を整えて、体の機能を今よりも向上させていくことが大切です。

それには、良質タンパク、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、コエンザイムQ10、ビタミンE、ミネラル(カルシウム、マグネシウム、亜鉛、鉄など)の栄養素が基本的に重要になります。

これらの対策は、治療やリハビリをスムーズに行う為の助けにもつながりますので、不足のないようにお摂りいただきたいと思います。


●痛み、炎症対策(活性酸素対策)

患部には骨折にともない炎症が起こっています。

炎症時には組織の傷害を助長する活性酸素の発生量が増えます。また、痛みを感じるとその痛みがストレスとなり、さらに活性酸素の発生量も増大して悪循環につながります。

活性酸素を除去するために、抗酸化成分であるビタミンC、ビタミンE、植物ポリフェノール、イチョウ緑葉フラボノイド、コエンザイムQ10などを組み合わせながら多面的に摂取されることで、より良い相乗効果が期待できるものと思います。


●筋肉の緊張を和らげる

痛みに伴い筋肉が緊張して硬くなりますので、筋肉の収縮や弛緩に関わるカルシウム、マグネシウムなどのミネラルを摂取して、筋肉の緊張を和らげることも大切です。

*体内での働きを考えますと、カルシウムとマグネシウムは2:1の割合で摂取されることが理想的です。



★最後に・・・

骨折が原因で痴呆や肺炎になってしまうなんて、一見信じられないように思いますが、体の一部分に問題が起こると、それが別の部位にも大きな影響を与えてしまうことは、よくあることです。やはり、体はつながっているのですね。

このようなとき、病院では骨折なら骨折、痴呆なら痴呆、肺炎なら肺炎に対する治療を別々に行っていくのが普通です。この為、必然的にお薬の種類も多くなってしまうのです。


しかし、栄養素では、体がつながっているということをうまく利用しながら、全身の細胞一つ一つの働きをより活かした対策ができます。

骨折の対策で摂取していた栄養素が、実は脳の働きにも役に立っていたり、肺炎や床ずれなどの二次的な合併症予防にも有効であったりと、プラスアルファの効果が期待できるのです。さらに、副作用などの体への負担もなく、嬉しい得点が満載なのが栄養素の良さですね。


このように、栄養対策に視野を向けてみると、何ともいえない安心感が出てくると思います。皆さまもぜひ、そのような視点で体全体を捉えながら、疾患の予防や治療の補助に栄養対策をとり入れてみてはいかがでしょうか?