二〇世紀のはじめ、明治時代とよばれるころの日本人の平均寿命は、四〇才を超えていませんでした。
昭和になっても、ようやく五〇才になるかならないか、という状態でした。
現在の日本が、スウェーデンやノルウェー、オランタなどに肩を並べる世界有数の長寿国であるとはご存じのとおりです。
統計の示すところでは、長寿への転機は、昭和三〇年ごろですから、いわゆる戦後の混乱からぬけ出した時期といえましょう。
多くの乳幼児や青年たちの生命をうばってきた“結核”や“肺炎”、“腸炎”などの感染症は、抗生物
質などの出現で、片すみに追いやられました。
それが、平均寿命の伸びとなってあらわれたことは疑いないことですが、その背景に、食生活の変化があったことを無視できません。
つづく・・・