栄養で頭がよくなる
一九五八年に成立した分子生物学は、人間のからだが物質分子の集合体であり、物理法則に従った存在であることを明らかにした。
その分子一つひとつの材料となるものが、日々の食事で摂取される栄養素なのである。
この仕組みはもちろん脳も例外ではない。
栄養学というと、肉体の健康をイメージしがちだけれど、栄養のバランスが崩れるとうまく機能しなくなるのは脳も同じである。
いやむしろ脳はほかよりも大量のエネルギーを消費する器官であるだけに、その影響はどこよりも大きいと考えねばならないだろう。
実際、知的障害者の中には、ビタミン不足が原因の人が少なからずいるのである。
この事実は、裏を返せば栄養の摂り方によって頭をよくすることができるということを意味している。