「人間の生き甲斐は・・・・・・」
畏友羽仁五郎(一九〇一~一九八三)の心酔していたイタリアのクローチェは、「歴史は天気予報で
はない。
一人びとりがつくるものだ」という意味の名言を吐いている。
また、ジャンポール・サルトル(一九〇五~一九八〇)はよく 「参加の文学」という言葉を使った。
人間らしい人間、すなわち正真正銘の人間は明日を憂える。
歴史に深い関心をもつ。
これを人間の生き甲斐の内容の要点としなければならぬ。
生き甲斐の中身はなんでもよいとはいえないのだ。
ブタは生き甲斐を問われないが、人間は生き甲斐を問われるのだ。