三石巖の分子栄養学講座③(メグビーインフォメーション 一部抜粋) | 分子栄養学のススメ

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分子栄養学の確立者である三石巌によって設立された会社“メグビー”のブログです。

「個体差の栄養学」



古典栄養学は、カロリー計算や栄養のバランスの主張となりました。そこには、ビタミンは潤滑油のような役割をもつ栄養物質であって、微量でたりるという考え方があります。これは極言すれば、私たちが生きていくための条件をもとめる科学にすぎないといえるでしょう。病気も寿命も体質も、そこでは問題にされません。



私どもの関心事は、生存の条件ではなく、能力の問題であり、老化の問題であり、病気の問題であるといってよいでしょう。それはつきつめてゆけば、体質の問題、個人差個体差の問題だと思います。ところが、古典栄養学は、ここまで切りこむ手段をもっていません。これに対して、分子栄養学は、人類共通の栄養条件をもとめるばかりでなく、一人一人の栄養条件をもとめる科学といってよいものです。それは、個体差に注目しつつ、人類全体を射程内にいれた栄養学なのです。


分子栄養学の分子は、遺伝子をさすものでした。遺伝子に注目する栄養学は、一人一人を区別して、栄養面からみた個体差を問題にせざるをえません。そしてそこにこそ、分子栄養学の存在理由があるのです。
私たちのまわりを見わたすと、人それぞれに、能力に差があり、体力に差があり、健康レベルに差があります。そしてそれは、結局は個体差の問題になります。

このようなさまざまな面に個体差があっても、人間は人間です。その意味で、すべての人は古典栄養学の対象になります。しかし、このように巨大な個体差に目をつぶることは、現実的といえません。
こんな例をあげるまでもなく、人間の個体差は莫大なものです。それは結局は遺伝子のちがいと無関係ではありません。その個体差をその人の弱点にしないための栄養条件をもとめることが、分子栄養学の目的なのです。


megv. information vol.5 1983