✈ 読書録:文体練習 / レーモン・クノー・著
アートで文学的な本を読みました。
原書はフランス語ですが、わたしは
日本語訳のものを読みました。
日本語訳がすばらしい・・
そのようなコメントをどなたかの
批評で読んだからです。
そもそも、わたしの仏語力では、
どちらにしろ和訳本の方が都合が
よかったのですが・・。
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exercices
de style
raymond queneau
traduit par
asahina koji
文
体
練
習
レ
|
モ
ン
・
ク
ノ
|
朝
比
奈
弘
治
訳
朝
日
出
版
社
éditions
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表紙はこんな感じ。
タイトル・著者・翻訳者や出版社の
デザインを真似て書いてみました。
実際の文字色は朱色ぽいので、
「#EF454A」を使って表記しました。
実際の色はわかりません。
こんな感じで、表紙を見るだけで
遊び心が感じられて面白いのです。
そして、真似して遊びたくなる。
わたし好みの本だ!٩(ˊᗜˋ*)و
どんな内容なのかというと・・
他愛のないひとつの出来事が、
99通りに変形自在に書き分けられて
ゆくのです。
さまざまな視点から同じ場面を読む。
文章だけでなく、文字にも工夫が
されていて、文字の上に文字が重ね
られていたり、色がつけられたり、
反転されていたりするのです。
ことば遊び。
文字を追って読むことで、
さまざまな感覚が味わえます。
段落・スペース・フォント(色や
サイズ含む)の使い方が素晴らしい。
翻訳では、あえて仏語風にカタカナ
で書いてある部分があって好きです。
風情が感じられます。翻訳、かなり
大変だっただろうなと思います。
いろいろと工夫されています。
素晴らしい。
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文体の種類で気になったところ
20・ アナグラム (p23)
※アナグラムとは、ある言葉や単語の
文字を並び替えることによって、別の
意味を持つ言葉や単語を作る言葉遊び
33・ アレクサンドラン (p39)
「アレクサンドラン」韻律
フランスで広く用いられる詩の
韻律形式、各行が12音綴(てつ)、
6音節目と7音節目の間にカエスーラ
(中間休止、句切れ)を挟むことに
よって各々6音節ずつに2等分される
のが最も一般的である。
84・イギリス人のために (p110)
英語っぽいが・・。あれ?
もう一度読み直してみて、なるほど〜。
面白い。そういうことか・・。
ʕ◉ᴥ◉ʔ
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様々な文体があり、訳がわからない
ものもありましたが、それなりに
楽しめました。意味を知るというより
文体の種類に沿って「ことばで遊ぶ」
感じです。
声を出して笑ってしまう文体、
くすっと笑ってしまう文体などが
いくつもありました。すぐにはその
面白さがわからない文体もあり、
ひとまず読み終えてから、後半に
記載されている「メモ」を参照して、
また戻って読んだりしました。
すご〜い。
文体の特徴を知って読むことで、
その文体の面白さに気付かされます。
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「ひとつのことを様々な視点から
捉えて楽しむ」を、日々の生活にも
取り入れると感性が磨かれそう。
いつもありがとうございます。