韓流時代小説 月下に花はひらく~花は風に散りてー押し倒されー旦那様に抱いて貰っていれば良かったー | FLOWERS~ めぐみの夢恋語り~・ブログで小説やってます☆

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☆☆新連載☆☆韓流時代小説  月下に花はひらく

 

香花(ヒャンファ)は14歳。
早くに母を失い、下級官吏だったた優しい父と二人暮らしであったが、その父も病気で失った。

かつては名門として栄えたキム家であったが、今は没落の一途を辿るどろこか、香花に婿が見つからなければ、断絶になってしまう。
香花は没落した実家を建て直すため、高官の屋敷に奉公に出ることになった。 上流貴族の子どもの家庭教師として住み込みで働くことになったのだ。

だが、やがて、その屋敷の主人に惹かれ、恋に落ちる。。。
しかし、相手は愛妻を失い、いまだに忘れられず、二人も子どものいる男であった。
やがて、その男が怖ろしい国を揺るがす陰謀に荷担していることを知る香花。 それでもなお男を信じようとする彼女の前に、光王(カンワン)と名乗る美貌の義賊が現れる―。

 

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「先生、私たち、これからどこに行くの?」
 林明の問いに、香花が何と応えようかと躊躇ったその時、前方から若い男の声が聞こえた。
「おやまア、こんな夜更けに若いお嬢さんが一人で何をしてるのかな」
 香花が愕いて顔を上げる。その瞳に映ったのは、三人連れの男だった。まだ二十代前半といったところで、頭に布を巻き、粗末な上衣とズボンを穿いている。どこかの屋敷の下男でもしているのか。
「お嬢ちゃん、可愛いね~、見たところ両班のお嬢さんのようだけど、何で真夜中に子ども連れでこんなところにいるの」
「まさか、この子たち、君の子どもじゃないよな」
 三人が代わる代わる口々に好き放題のことを言っている。
「馬鹿言えよ、どう見たって、姉弟(きようだ)妹(い)だろ」
 一人が言うと、もう一人が口を尖らせる。
「けど、全然似てねえぞ」
「この歳でまさか、こんな大きなガキがいるもんか。子どもがどうやって子どもを産むっていうんだよ」
 三人の男は顔を見合わせ、下卑た笑いを浮かべている。
 香花は端から無視を決め込んだ。
 立ち上がると、チマについた土埃を手で払い、林明と桃華に告げる。
「行きましょう」
 その前に背の高い、ひょろりとした男が立ち塞がった。
「ちょっと待てよ。どうせ家出娘なんだろ。俺たちのところに来ないか? 寝るところくらいあるぜ」
 香花がそれでも黙って行こうとすると、今度は別の小太りで小柄な男が更にすっと進み出て、通せんぼするように両手をひろげる。
「退(ど)いて」
 香花が二人を睨みつけるのに、ひょろ長いのが口笛を吹いた。
「まだ子どもの癖に、気の強そうな女だな」
「だけど、えらい綺麗な娘だ」
 最後に、もっそりとした中肉中背の男が出てきた。口の右脇にかなり大きな黒子がある。
「両班の女なんて、滅多と味わえねえご馳走だ。せいぜい愉しませて貰おうぜ」
 二人の男たちにいきなり頭と脚を持って抱き上げられ、香花は悲鳴を上げた。
「何するの、止めて、止めてよ」
 夜陰に香花の声が響き渡ると、ほくろの男がいきなり香花の口に布を突っ込んだ。
「うう―」
 声を出したくても、声が出ない。
「何をする、先生に乱暴するのは私が許さぬ」
 林明が男の一人に果敢に向かっていったが、すぐに蹴飛ばされた。
「煩せぇ、ガキに用はねえんだよ。俺たちが用のあるのは、こっちの可愛いお嬢ちゃんだけだ」
 男たちは香花を松の樹の下に運び、横たえた。一人が香花の両脚を押さえ込み、一人が両腕を持ち上げた格好で固定する。
 ほくろの男が上から覆い被さってきた。
「こいつ、震えてやがる。この様子だと生娘に違えねえ」
 手を押さえつけた小太りの男が嬉しげに言った。
「お嬢さん、そんなに怖がらなくても大丈夫だ。俺たちがたっぷりと愉しませてやるからな。どうせ、どこかの両班のぼんぼんとするはずだったことを、俺たちが丁寧に手取り脚取り教えてやろうっていうんだ、感謝して欲しいものだぜ」
 ほくろの男がニヤついて言い、香花の肩に羽織っていた外套を荒々しく剥ぎ取った。
 首筋に生温かい息がかかり、体臭なのか口臭なのか、何とも饐えたような鼻につく匂いが漂ってくる。
―いや、助けて。明善さま!
 香花の眼に涙が滲む。
 こんな男たちに弄ばれるくらいなら、いっそのこと、明善に抱いて貰っていれば良かった。優しい明善の笑顔が瞼をよぎった。
 チョゴリの紐がひきちぎられる。
 香花の眼に、欲情に眼を血走らせた男の歪んだ顔が映った。三人の男は香花の身体を犯すことしか頭にはないようだ。
 両衿を力を込めて押し広げられる。手脚を押さえつけられ、一切の動きを拘束されているので、抵抗もままならない。チョゴリはあっさりと脱がされ、続いて下着も引き裂かれた。
 衣(きぬ)の破れる嫌な音に、男たちは余計に興奮しているようだ。布を巻いただけの胸が現れ、男たちの眼が余計に異様な光を放ち始めた。
 ひんやりとした夜気が剥き出しの肩に触れ、身を震わせる。
「まだ子どもに見えるが、身体は結構育ってるな。胸も大きいぜ。良い身体してる」
「見ろよ、この白い膚。抱き心地好さそうだ」
 口々に好きなことを言う男たちの声が次第に遠くなってゆく。このまま自分は気を失い、卑劣な男たちの慰みものにされてしまうのか。
 そんなことをぼんやりと考えていると、いきなりチマが大きく捲られ、下に穿いていた下着(ズボン)が引っ張られた。続いて下履きまで乱暴に剥ぎ取られてしまう。
「―!」
 香花の両眼が恐怖と愕きに見開かれる。
 ズボンを脱がされた両脚が剥き出しになり、物凄い力で大きく開脚さされた。
―何、何をされるの?
 ヒューと口笛が聞こえる。視線を動かして、懸命に脚許を見ると、背の高い男がこれ以上は開けないというほど開かされた両脚の間に頭を突っ込み、中を覗き込んでいる。
「下もきれいだねえ、花のような色だ。間違いない、この娘は男を知らねえぞ」
 自分でさえ覗いたことのない場所を暴かれ、覗き込まれているのかと思うと、気が狂いそうになる。
 ふうっと生温かい息をその秘められた場所に吹きかけられ、全身が総毛立った。
―い、いやーっ。
 香花は泣きじゃくりながら首を振った。
 そのときだった。
「ツ」
 香花を押さえつけていた男たちが次々に声を上げて呻き始めた。