乙嫁語り 3巻 (青騎士コミックス) 著者 : 森薫 KADOKAWA 発売日 : 2011-07-28 |
良かった。
特に、イギリス人のスミスさんと現地女性のタラスさんの異色カップルが大人なんだけど、初々しい様子が微笑ましい。
それにしても、兄弟5人と結婚して全員に先立たれたというのも、あまりに気の毒すぎる、、、
そういえば、日本の歴史でも徳川吉宗の養女となった竹姫が婚約した大名家の若君が次々に亡くなったというのを聞いたことがある。なので、吉宗が竹姫の嫁ぎ先を探そうしても、どの大名家も「縁起が悪い」と名乗り出なかったり拒絶したりしたと聞いた。
このマンガはフィクションらしいけど、現実にタラスさんのようなこともあるのかもしれない。
それにしても、タラスさんのお義母さんは最初、スミスさんとくっつけようとしていたのに、二人が合意した途端、自分が再婚して前言撤回というのは酷い。二人が可哀想すぎる。傷心のスミスさんが早く立ち直れると良いけど、これから先、本当に二人の縁がまた交わることはないのだろうか。
あとは、この冒険家・旅行家のスミスさん、私はずっと実在の人だと信じていたが、調べている中に作者さんが架空の人だとお話しされているのをツイッターで見つけた。
最後に。
三巻の中でタラスさんがスミスさんに、お義母さんが居なくなった後、一人では不安ではないかと問われた時、返した科白。
ー不安は不安ですけど、どうでしょう。先に不安のない人なんて、いるんでしょうか。
この一言には考えさせられた。
大地や厳しい自然と共に生きる人々には、些細なことに思い悩む暇なんて、きっとないのだろう。
ここを読んでから、現代日本で毎日、チマチマとつまらないことに思い煩っている自分が馬鹿みたいに思えてきた。
「先に不安のない人なんて、いないから」こそ、毎日毎日を精一杯生きてゆく。
タラスさんの言葉で、大切なことを教えて貰ったような気がする。