「ある夏の一日~単位認定試験を終えて~」~学習センターで聞いたツクツクボーシの鳴き声と秋の予感 | FLOWERS~ めぐみの夢恋語り~・ブログで小説やってます☆

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一瞬一瞬、1日1日を大切に精一杯生きることを心がけています。
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「ある夏の一日~単位認定試験を終えて~」

 

やっと終わった
小さな溜息ひとつ
ゆっくりと辿る学習センターから駐車場への道
ツクツクボーシ ツクツクボーシ
愕いたことに
気の早いツクツクボーシがもう鳴き始めていた
鬱蒼と茂る丈高い樹々が林立している駐車場は
自然の雰囲気がそのまま残る
蝉たちには快適な住処に違いない



 


ツクツクボーシ ツクツクボーシ
蝉たちの声を聞きながら思う
―そういえば立秋も近いんだっけ。
春が来て桜が咲けば またすぐに夏が来て
梅雨がやっと明けたかと思えば今度はツクツクボーシが鳴きだして秋が来る
時のうつろいは逆巻く奔流のように側を流れゆき
私は激しい流れに呑み込まれないようにするのが精一杯
けれど
そんな中でも自分にできることはあるはず
その一念で生きている
ふと振り返った学習センターの白い建物越し
はるか高みには天空を翔る龍にも似た夏雲が浮かんでいる

 


次の試験を受けるのは来年
その頃には暑さどころか厳寒の冬ただ中で
今歩く道沿いには深紅の山茶花が満開に咲き誇っているに違いない
そのときには またほんの少し成長した自分になれていたら良い
願いながら
少しばかりの開放感と大きな期待感の入り交じった気持ちで
学習センターを名残惜しい気持ちで後にする



―また私の新しい季節が始まる