【生きてこそ進む道も拓ける】国の存亡を賭けて戦った王仁祖と忠臣たちの記録 映画 天命の城 感想 | FLOWERS~ めぐみの夢恋語り~・ブログで小説やってます☆

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著者 :
株式会社ツイン
発売日 : 2018-11-07
素晴らしい作品でした。
見終わった後、静かな感動に包まれています。
歴史にも名高い南漢山城での出来事を描いた歴史大作です。

一国の存亡を賭けて、朝鮮の大臣たちが日々、議論を闘わせる緊迫した情勢の中、対峙する清との攻防、激闘が繰り返されていきます。
誰もが心底から国を思い、思うがゆえに誇りを保ちつつ国の存続を図ろうとします。
けれども、イ・ビョンホンさんが演じた吏曹判書の言うように
-死よりも軽い生。
 など、どこにも存在しないのではないでしょうか。
 誇りを捨てでも、生きる道を選び、国と民を守るべきだという忠臣の懇願を受け容れた仁祖。
 ある意味では、敵に屈した王といわれても、またある意味では自らの誇りを捨てでも国を守った偉大な君主といえるのかもしれません。
 人は生きてこそ歩く道も拓ける、という考え方は現代に生きる我々にもいえることではないかと思いました。
 張り詰めた雰囲気の中、どこか厳粛ささえ漂わせて淡々と進む物語りは、韓流ドラマによくある華やかさや愛欲とは一切無縁の、まさに正統派歴史映画でした。
私は「花たちの戦い」も視聴し、あのドラマはまさに、この映画のラスト-仁祖が清の皇帝の前で跪くシーンから始まったのをよく記憶しています。
深い雪の上で一国の王が跪くという場面に衝撃を受けましたが、あのドラマとこの映画は同じ歴史的シーンでも、どこか違うように思えました。
どちらが良いという問題ではなく、やはり「花たちの戦い」は仁祖を取り巻く後宮の女たちの愛欲絵巻を描いた作品であるのに対し、「天命の城」は男たちの戦いを描いたもの-作品のメインテーマの相違からくるものだと思います。