書店で【本に呼ばれた】ような?気がして購入。読み応えアリの小説「光の国の恋物語」感想 | FLOWERS~ めぐみの夢恋語り~・ブログで小説やってます☆

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文庫サイズにして500ページを軽く超えたボリュームたっぷりの本です。
この物語りについては感想を一口で語ることは難しいと思いますので、思いついたままになってしまうかと思いますが、、、

まず、書店で見つけた時、とても心惹かれるものを感じました。私は本を購入時、まず手に取って帯や裏表紙に書かれている荒筋のようなものを見て、それで面白そうだと感じたら買います。
ただ、今回はそれ以前に何か本に「呼ばれている」ような気がしました。おかしな言い方かもしれないですが、本当です。ラノベのBLコーナーの片隅に平積みされたこの本が何故か気になって仕方ありませんでした。
内容をざっと見て、咄嗟に思いついたのが華流時代劇「宮廷女官ジャクギ」です。一人の女性に対して、数人のイケメン皇子が想いを寄せるという設定のドラマと、この複数の光華国の皇子たちという設定が重なりました。
ただ、読んでみれば、全然関係ないと判ります。
内容については、初盤で人物の視点が定まらないまま物語りが進行してゆくのが気になりました。
外国の翻訳小説などではよく見かけることですが、一つのシーンの中に複数の人物が登場する時、大抵は一人の人物の目線で描くものですが、それがくるくると視点が変わって、一体誰の視点でその場面が描かれているか判りかねる、、、ということです。
そういう箇所が出だしには結構見られました。

また、この物語りの主人公は結局誰だったのか、という点も最後までよく判りかねました。
最初は男性でありながら「王女」として光華国に嫁いできた悠羽なのかと思いきや、どうもそうでもないようですし。
読みすすめていけば、恐らくは四人の皇子+悠羽なのだろうなと感じますが、その辺り、微妙です。
それでも、これだけの物語りを纏めるのは大変で、ここまで描けるのは流石だなと感じ入ったのも確かです。
強いていえば悠羽が主人公であろうと推察はできるものの、登場人物があまりにも多すぎ、また、彼等一人一人を描こうとしたために、それぞれの人物に今一つ踏み込めて描き切れていなかったかなと感じました。
また、皇子たち四人どころか、人物全員が同性愛者、という設定もどうなのか、、、
一組くらいは男女カップルがいた方が自然な気もします。
そんな中で悠羽の真っすぐで優しい性格、物事の外郭に囚われず本質を見つめることのできる人柄にはとても好感が持てました。

以上、思いつくままにとりとめもない感想ですが、大変面白く、これだけの厚みのある本にも拘わらず、ぐいぐいと引き込まれて読めました。
幾つか気になる点はありましたが、それぞれの人物の内面を描こうとした素晴らしい読み応えのある作品だと思います。