科学的根拠に基づくとして食品新基準値を批判する松永和紀氏に対する反論 | 男も女もすなる日記といふものを、オカマもしてみむとてするなり

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現在は原発事故に関連した記事が多いですが、どの記事にも自分なりの物の見方・考え方を書くようにしています。

  松永和紀氏はネットコラムで、4月からの食品新基準値批判を繰り返している。関連する記事がまとめられているし科学ライターとのこと。この主張を検討する。
  取り上げるべき記事は、がまん基準としての暫定規制値である。

 同氏はここで、「暫定規制値以下なら安全」と言ってはいけないと明言している。真に同感で、当たり前のことを認めているからこそ、真摯に検討する必要がある。
  同氏が間違っているのはその後だ。

がまんを一部の人たちに押し付けるのではなく、みんなでなるべく公平に負担しなければ、と説明されたら、多くの人たちがすんなり理解できたのかもしれない」
がまん基準を定めることと、選ばれた暫定規制値ががまん基準として妥当か否かは別問題である。
②がまん基準を実現する検査体制が整っているか規制値超の食品が出回らないか、も別問題である。
③暫定規制値以下(104Bq/kg)ではあっても、作った米を孫には食べさせたくないと明かした生産者が現に存在し、大半の食材については生産者(側)も消費者である事実を無視、福島県内でさえ福島県産食材が避けられている事実も無視している。
④生産者が放射性物質に汚染された食物しか作れなくなったのは、人災と言える福島第一原発事故が原因だ。生産者は東電や国に対し賠償請求するべきであり、その負担を消費者が負う理由はない。

「消費者がエライ」と言っているわけじゃない。プロである生産者が要求される品質の食品を提供出来なければ買ってもらえない、というだけの話だ。付言すれば消費者は、食品の値上がりという形でその選択の「報酬」を支払う覚悟をすればよい。実際通販を利用したり、産地を選んで食材を買っている消費者は手間をかけ、金をかけているがその負担分を生産者に求めてなどいないではないか。