1994.11.3 皆既日食ツアー【土産物編】




モルフォ蝶は、北アメリカ南部から南アメリカにかけて80種ほどが生息する大型のチョウの仲間。"Morpho" はギリシャ語で「形態」を意味し、アプロディーテーおよびウェヌスの形容語句でもある。
体にくらべて非常に大きな翅をもち、さらに翅の表側に金属光沢をもつのが特徴。この光沢はほとんどの種類で青に発色する。これは色素ではなく翅の表面にある櫛形の鱗粉で光の干渉が起きるため、光沢のある青みが現れる。このような現象を構造色という。
不規則な軌跡を描いて速く飛ぶのも特徴。鮮やかな翅の色を持つのは雄で、雌は雄よりも地味な茶色か青みが少ないことが多い。
翅の裏側には褐色や灰色のまだら模様がある。翅の裏には目玉模様(眼状紋)がある種類がほとんどで分類上はジャノメチョウに近縁とされている。翅の表裏の色の変化で天敵を驚かせると考えられる。翅を閉じていると目立たない。
モルフォ蝶は森林に生息。幼虫はマメ科の植物を食べる。成虫の寿命は約1か月で毒があるため捕食者はいない。成虫は花の蜜よりも腐った果実、動物の死骸、キノコなどを好む。雄は川沿いなどをパトロール飛行する習性がある。
生息地ではしばしば蝶園で養殖され、標本は土産物などにされている。モルフォチョウの標本は、体液が染み出て翅の構造色を損なうのを防ぐために腹部が除去されているものが多い。
モルフォ蝶の採集方法は青い銀紙による採集がある。モルフォチョウの雄が青く反射するものを全て同種の雄と勘違いして追い払うために近づいてくる性質を利用したもので、銀紙の反射でモルフォ蝶をおびき寄せて網で捕まえる。
