


チャレンジャー号爆発事故は、1986年1月28日にアメリカ合衆国のスペースシャトル"チャレンジャー"が打ち上げから73秒後に分解し、7名の乗組員が全員死亡した事故。
北米東部標準時午前11時39分(1月29日1:39JST)にアメリカ合衆国フロリダ州中部沖の大西洋上で空中分解した。この打ち上げはチャレンジャーにとって10回目でミッション名はSTS-51-Lであったが打ち上げ直後の事故のため殆どの予定が遂行されずに終わった。機体全体の分解は、右側固体燃料補助ロケットの密閉用Oリングが発進時に破損したことから始まった。
Oリングの破損によって密閉していたSRB接続部から漏洩が生じ、固体ロケットエンジンが発生する高温・高圧の燃焼ガスが噴き出して隣接するSRB接続部材と外部燃料タンクに悪影響を与えた。この結果、右側SRBの尾部接続部分が分離して外部燃料タンクの構造破壊が生じた。空気力学的な負荷で軌道船は一瞬で破壊された。
乗員区画やその他多数の機体の破片は長期にわたる捜索・回収作業で海底から回収された。乗員が正確にいつ死亡したのかは不明だが何人かは最初の機体分解直後にも生存していたことが判っている。しかしシャトルには脱出装置が装備されておらず、乗員区画が海面に激突した際の衝撃から生き延びた飛行士はいなかった。
NASAの幹部は契約先企業であるモートン=サイオコール社が設計したSRBのOリングに致命的な欠陥があることを知っていたが、適切に対処できかった。彼らは当日朝の異常な低温が打ち上げに及ぼす危険に関する技術者たちからの警告を無視し、またこれらの技術的な懸念を上層部に満足に報告することもできなかった。

