




日本には4種類の紙幣と6種類の硬貨が流通しているがそこには高度な技術が使われている。紙幣には1mmに10本以上の線が描かれていたり、ルーペで見ないと認識できない文字も書かれている。日本の紙幣には様々な最先端技術が詰め込まれている。手にとって目を凝らしてみると、所々に「NIPPON GINKO」や「10000」「5000」「1000」などの極小の文字(マイクロ文字)が印刷されている。
例えば千円札。野口英世の頭部の両脇から伸びる帯に「NIPPON GINKO」と印刷されている。5千円札だと樋口一葉の頭部の背景や下部に「NIPPON GINKO」と印刷されている。かなり小さいので虫眼鏡で見ないと読み取れない。
お札の様々な箇所に大小取り混ぜた文字が印刷されている。「図柄も細密な線で描かれているので、カラーコピー機や通常の印刷では再現できません」(日本銀行発券局)という。
肖像や文字、識別マークの部分にはインクを高く盛り上げた「深凹版印刷」が施されているため、手で触るとザラザラとした感触がある。
慣れた人なら、手触りだけで「おかしい」と気付くこともある。手触りがあまりにもツルツルしているようなら注意が必要だろう。
お札を傾けると1万円は表面左下に「10000」、5千円は表面中央下に「5000」、千円は表面左下に「1000」と「千円」(パール印刷)の文字が浮かび上がる。
裏面の右側に浮かび上がるのが「NIPPON」の文字。これらは、インクの盛り上げ方や着色の仕方の微妙な違いを使って印刷した「潜像模様」である。お札の左右にはパール光沢のあるピンクの半透明な模様(パールインキ)も見える。
中央部分に見えるのは肖像画などの「すかし」。日本のすかしは、白すかしと黒すかしを組み合わせて濃淡の差を美しく表現できるのが特徴。1万円札には3本、5千円札には2本、千円札には1本の縦棒の「すかし」も施されている。
日本経済新聞より記事を抜粋