弘前城本丸北側にも満開のソメイヨシノが咲いています。昨年の四月中旬で平日の金曜日に夜桜を撮影したので人影もまばらです。
お城にサクラが植えられたのは、お城が公共の場として使われた明治時代以降。江戸時代のお城は基本的には軍事拠点。サクラのように大きく茂る樹木があると視界のジャマになります。
染井吉野は人がつくった栽培品種。江戸時代末に生まれたと考えられています。生まれた場所はまだ定説がないけれど、母親がエドヒガン、父親がオオシマザクラの種間雑種であることは分かっています。種間雑種は、同じ属の異なる種の間に生まれた子孫のこと。
日本全国に植えられている染井吉野は、クローンでふやしたもの。植物の世界では挿木や接木などのクローン増殖は古くから行われていて、自然の状態でも起こることがあるくらい。
「クローン」は「枝」を意味するギリシャ語に由来。染井吉野は主に接木で増やしていて、台木と呼ばれる別の木の基部に増殖したい個体の枝をつなぐと同じ花をつける木ができます。