カナダポストは、2024年 3月14日に皆既日食の到来を告げるため、史上初の日食切手を発行します。4月8日、日食の経路は、北米の3大国であるメキシコ、米国、カナダの一部を通過し、今世紀初かつ唯一の通過となります。この畏敬の念を抱かせる現象は3年に2回ほど発生しますが、地球上の特定の場所から見えるのは平均して約400年に1回です。「皆既日食は、これまで見た中で最も驚くべき自然現象です」と、カナダ王立天文学会の元事務局長で、6大陸で10回の皆既日食を追いかけてきたランディ・アトウッド氏は言います。「あなたは何を期待すべきかわかっていると思うかもしれませんが、現実ははるかに圧倒的です。一度見たら、夢中になります」
皆既日食は、月が太陽の表面を完全に遮るときに発生します。この光景は約2時間にわたって繰り広げられますが、太陽が視界から隠され、その彩層とコロナからの幽霊のような輝きが月の完璧なシルエットを縁取る、全体の貴重な数分でピークに達します。
日食の切手は、デザイナーのリチャード・ナリ・ペッタが写真とイラストを組み合わせて作成しました。ブラックライトを浴びると光る特殊なスポットグロスニスでプリントされ、暗くなった空を背景にした日食を表現しています。細い銀色の線がカナダを横断する道を示しており、切手の下部に沿ったコラージュは、オンタリオ州のナイアガラの滝やニューファンドランド・ラブラドール州のスピラーズコーブなど、通過する風景のいくつかを強調しています。
多くの日食は無人地帯で起こりますが、この日食は6つの州の人口密集地や大陸の他の多くの地域を通過します。カナダでは、2044年までこの現象が再び見られないこの現象は、オンタリオ州南西部からニューファンドランド・ラブラドール州東部まで、幅約200キロメートルの経路をたどることになります。天候が許せば、ルート沿いの何百万人ものカナダ人は、ルートが頭上を通過するときに日光が暗闇に変わるのを見ますが、その経路からそれほど遠くない場所では部分日食が見られます。
環境への最も劇的な変化は、全体に至るまでの10分ほどの間に起こります。空が黄色く染まる。影がシャープになります。葉が地面に小さな三日月形の影を落とします。「全体化の数秒前に、世界は完全に変わる。気温が下がり、どこからともなく風が吹くことがあります」とアトウッドは言います。「巨大な雷雨が近づいているように見えるかもしれませんが、実際には月の影が時速1,600km以上でこちらに向かって走っているのです」
この体験の影響を受けるのは人間だけではありません。アトウッドは、空が徐々に暗くなると、一部の動物は夜が明けたかのように振る舞い始めると説明しています。「1991年、日食のためにバハ・カリフォルニアにいたとき、雄鶏が鳴き始めました」と彼は言います。「コオロギの鳴き声が聞こえたり、鳥がねぐらに戻ったり、コウモリが狩りにやって来たりするのを見るのは珍しいことではありません」
かつては不吉な前兆と考えられていたものが、今では世界中から日食を追いかける人々の群衆を引き寄せています。アトウッドはベテランの視聴者ですが、今でも日食を見るたびにスリルを感じ、初めて見る人の反応が大好きだと言います。「人々は文字通りおかしくなります。カウントダウンを始める人もいれば、叫んだり指差したりする人もいます」と彼は言います。「すべてが終わったとき、人々は拍手し、中には涙を流す人もいます!」
カナダポスト
より写真と記事を引用