

きっかけは、湯豆腐の昆布だしでした。池田菊苗博士は昆布だしを味わううちに、4つの基本味である甘味、塩味、酸味、苦味とは違う、もう一つの味があることを確信し、昆布だしの研究に取りかかりました。
同じころ、日本初の医学博士、三宅秀氏が「佳味は消化を促進する」という説を唱え、これに励まされた池田博士は、ついに昆布だしの味成分がグルタミン酸というアミノ酸の一種であることを発見。この味を「うま味」と命名し、さらにグルタミン酸を原料としたうま味調味料の製造方法を発明しました。
2000年、マイアミ大学により舌にグルタミン酸の受容体があることが発見され、2006年には、味の素KKライフサイエンス研究所が、胃にもグルタミン酸の受容体があることを発見。
グルタミン酸は、おいしさに関わるだけでなく、栄養・生理学的にも重要であることが示されました。「おいしく食べて健康づくり」という志は、科学的にも実証されているのです。
