アワビの殻の背面には数個の穴が並んでいる。この穴は鰓呼吸のために外套腔に吸い込んだ水や排泄物、卵や精子を放出するためのもので、殻の成長に従って順次形成された穴は古いものからふさがっていき、常に一定の範囲の数の穴が開いている。アワビではこの穴が4 - 5個なのに対し、トコブシでは6 - 8個の穴が開いている。また、アワビでは穴の周囲がめくれ上がっており穴の直径も大きいのに対し、トコブシでは穴の周囲はめくれず、それほど大きくは開かない。
アワビは高級食材で、コリコリした歯ざわりが特徴。刺身、水貝、酒蒸し、ステーキ、粥などに調理される。採れたての生きの良いアワビを磯焼きにして賞味する地方もある。地方によっては、アワビの肝も珍味として食べられる。
変わったところでは、塩で硬く締めたアワビの肉を下ろし金で摩り下ろし、同量のとろろと合わせた「鮑のとろろ汁」という料理が存在する。