

企業としてのカルピスの創業者は、僧侶出身の三島海雲。創業初期は国分グループだった。名付け親は山田耕筰と、当時芝学園校長だった渡辺海旭。創業時より「初恋の味」で知られる世界初の乳酸菌飲料「カルピス」を生産していた。これと共に、脱脂乳の生産の際に副産品として製造を開始したとされるカルピスバターが主力商品である。
1902年(明治35年)、当時25歳の三島は内モンゴル(現在の中華人民共和国・内モンゴル自治区)を訪れ、そこで口にしたジョッヘという飲み物を参考にして1919年(大正8年)にカルピスを開発・発売し、この飲料と同名の企業の創業者となったと伝えられている。
脱脂乳を乳酸菌で発酵し加糖、酵母(馬乳酒中の酵母と近似)による発酵がカルピス独特の風味に不可欠であることは、長く企業秘密とされていたが、1990年代半ばに公開された。
社名は、「カルシウム」とサンスクリットの「サルピス」(sarpis、漢訳:熟酥(じゅくそ))を合わせたものである。サンスクリット「サルピル・マンダ」(sarpir-maṇḍa、漢訳:醍醐)を使用し、「サルピス」・「カルピル」とする案もあった。
同社では重要なことを決める際には、その道の第一人者を訪ねる「日本一主義」があり、音楽の第一人者の山田に社名について相談したところ、「カルピス」が最も響きが良いということで現行社名・商品名になったという。