
埼玉県行田市内の国道17号を車で走ると、「鉄剣タロー」と書かれた古い看板が目に入る。昨今にわかにブームとなっているレトロ販売機でうどんやそばなどを提供するオートレストランだ。
店内には「インベーダーゲーム」や「ストリートファイター」といったゲーム機が並び、昭和後期から平成初期のゲームセンターを想起させる。
鉄剣タローで稼働している自販機は10台(飲料含む)で、主な商品は天ぷらうどん、チーズバーガー、ハムサンドの3つ。うどんは300円で、他2つは220円。
うどんの自販機に300円を投入すると、「調理中」という文字とともに完成までの時間が表示される。出てきたきたうどんは温かく食べやすい温度で、だしの効いたスープの味が心地よい。
行田市といえば、埼玉古墳群から出土した鉄剣が有名だが、同店は同市を象徴する「鉄剣」と長男につける名前の「太郎(タロー)」から、同市で一番親しみやすい店を作ろうと名付けられた。
開店した昭和63年ごろまで24時間365日食事が取れる食品自販機は国道沿いなどに点在し、人々に親しまれていたが、平成に入るとコンビニエンスストアが急増し、次々と姿を消していった。
産経新聞より記事を抜粋
