
映画との出会いは戦後であった。太平洋戦争中は軍人として死ぬことを教育されていた水野は敗戦後の価値観の変化に戸惑い、アメリカからもたらされた民主主義の意味を理解できなかった。そのときに出会ったのがアメリカ映画だった。
「民主主義というのはこういう面白い映画をみんなが自由に撮れて、みんなが自由に観ることのできる社会なんだ!」そしてこの出会いは水野の人生そのものを決めることになったのであった。
1972年10月4日から、日本テレビ系の映画番組『水曜ロードショー』の解説を担当。一方、自身の会社「インターナショナル・プロモーション」で、アルフレッド・ヒッチコックの『バルカン超特急』など、ヨーロッパ映画の配給を行った。
番組の中で水野が発する「いやぁ、映画って本当にいいもんですね~」(他に「面白いもんですね~」や「素晴らしいもんですね~」「楽しいもんですね〜」も)というセリフは瞬く間に定着し、お茶の間の人気を集めることとなった。本人によれば、『水曜ロードショー』で1974年4月3日に放送した『シェーン』の解説で使ったのが最初で、番組の最後に時間が余った際「もう一言付け加えて」と担当者から言われ、とっさに出た言葉がこれだった。