少年ドラマシリーズは、1972年から1983年にかけてNHK総合テレビで放送された、主に小中学生向けのテレビドラマシリーズ。
NHK「少年ドラマシリーズ」の第1作である『タイム・トラベラー』は、NHKが製作し、1972年(昭和47年)に放送した青少年向けSFテレビドラマである。原作は筒井康隆の『時をかける少女』。
語り手として城達也が出演しているが、照明はダウンライトで、顔がよくわからないようにしている。これは『JET STREAM』の開始後に城が決めた「機長としてのイメージを壊さないように顔出しでのテレビ出演はしたくない」という意向への最低限の配慮である。
普通の中学3年生、芳山和子の身辺に次々と不思議なことが起き始めたのは、彼女が理科準備室で謎の香りを嗅いでからのことだった。その香りは、ラベンダーという花のものだった。
やがて和子は、同じクラスの深町一夫が実は700年後の世界からやってきた未来人、ケン・ソゴルであることを知る。ケンは未来に帰るための薬を調合するために、架空の人物に成り済ましていたのだ。ラベンダーはその調合に必要な材料だった。調合途中の薬の匂いを嗅いだことで、和子はタイム・トラベルの能力を持ったと、ケンに告げられる。
和子は、何らかのショックを与えられたときなどに,不意に起きるタイム・トラベルで、過去や未来の世界との間を行き来する。行った先で身近な人に近々不幸なことが起きるのを知ることになるが、どうすることもできない。ケンの言によれば、時間を超えて行き来することは可能でも、過去や未来を変えることは無理なのだ。お互いを助け合ううちに、和子とケンの間には、次第に淡い恋愛感情のようなものが芽生え始める。
やがてケンは、未来に帰るための薬品を完成する。その前に、和子を含めその事実を知る人の記憶を消去しなければならないという。ケンと過ごした記憶を消されることを悲しむ和子。だがケンにも、タイム・ルールの掟を破ることは許されない。ケンは和子を含め、自分にまつわる周囲の人たちの記憶をすべて消した上で未来に帰っていった。