岩泉線は、岩手県宮古市の茂市駅と同県下閉伊郡岩泉町にある岩泉駅を結んでいたJR東日本の地方交通線である。岩泉線は、第二次世界大戦中に耐火煉瓦の原料となる耐火粘土の輸送のために建設された路線。日本国有鉄道時代に特定地方交通線第2次廃止対象線区に選ばれていたが、並行する道路が整備されていないため、代替道路未整備を理由に廃止対象から除外された。
2010年7月31日に発生した土砂崩れによる脱線事故のため、以来全線で運休になっていたが、2012年3月30日にJR東日本は鉄道での復旧を断念し、バスによって輸送を継続したいという方針を発表。2013年11月8日に廃止届が提出され、2014年4月1日に廃止された。
廃止区間
茂市 - 岩手刈屋 - 中里 - 岩手和井内 - 押角 - 岩手大川 - 浅内 - 二升石 - 岩泉
岩泉線は国鉄時代に「小本線」として小本地区まで延長される計画であった。さらに東北本線方面への建設計画もあった。
1961年2月から気動車が導入されており、1983年時点ではすべて駆動用エンジンを2基搭載した盛岡客貨車区のキハ52形が用いられた。1990年代には盛岡客車区のキハ52形単行かキハ58系も含めた2両編成で運行された。
その後2007年に水郡線から転用された盛岡車両センターのキハ110系100番台に置き換えられた。使用車両に関わらず、ワンマン運転は実施されていない。