白河の関越え | スチャラカでスーダラな日々

スチャラカでスーダラな日々

故・植木等氏の御冥福に因んでkeiのスーダラな日々を紹介します。故人の映画のようにスイスイと軽妙な人生を送りたいものです☆彡

光星学院応援歌「だいじょうぶ」

光星学院 金沢投手白河の関越えとは、高校野球の優勝旗が白河の関をこえること。

かつて、90年にわたる高校野球の長い歴史の中で、北海道、東北地方の優勝校が出ていなかった。

2004年に北海道の駒大苫小牧が優勝して、一挙に津軽海峡まで超えてしまったが、東北勢はまだ優勝旗を手にしていないという意味で優勝旗は白河の関を越えていないとされている。

大阪桐蔭3-0光星学院 (2012.8.23・決勝)

史上初の3季連続準優勝に終わった光星学院の仲井監督は「安打が2本。力負けした。完敗ですね」とサバサバした表情だった。選手たちには序盤から硬さがあり、いつも通りの野球ができなかったといい、「(硬さを)ほぐしてやれなかった」と悔やんだ。「あんなに素晴らしいバッターが同時にそろうことはない」という田村と北條がこれで抜ける。新チームは「もう少し細かい野球をやる。違ったカラーになる」という。3度挑んで越えられなかった最後の壁を突破するため、「今のチームに負けないチームを作って挑戦したい」と闘志をかき立てていた。

二つの迷いが、光星学院を三たび、優勝旗から遠のかせた。1点を追う五回無死一塁。その迷いは、守備の際に起きた。

一つ目は大阪桐蔭・安井の4球目。送りバントを試みた打球が一塁線沿いに転がる。投手の金沢は最初、ファウルになると思い、ダッシュを緩めた。だが、「焦りから(球を)捕ってしまった」。一塁送球は間に合わず、内野安打で一、二塁となった。

二つ目は続く笠松の場面。今度は三塁方向にバントが転がった。だが、三塁手の大杉は投手が打球を処理するのに備え、三塁ベースカバーに入ろうと一歩下がった。そこから慌てて前へ出たが、一塁への送球が高くそれる(記録は内野安打と失策)。一気に2人が還り、決定的な2点を失った。

金沢が悔やむ。「捕らなかったら(球はファウルゾーンに)切れていた」。では、なぜ捕ったのか。「大阪桐蔭だとランナー一塁でもピンチに感じる。少なくとも一つアウトを取りたかった」

最後の打者にもなった大杉は試合後、号泣した。五回の守備は1歩目が遅れ、打者走者も横目に入り、「(速い球を放ろうと)思いっきり投げた」。だが、指先に力が入りすぎた。大杉は三回にも一塁走者の速さに気を取られ、併殺を狙った二塁へ悪送球(記録は失策)。ミスを繰り返したくないという焦りが根底にあった。

金沢はマウンドで強力打線のすごみを感じ、大杉は相手の隙のなさに自分を見失った。「大阪桐蔭のプレッシャーに屈した」と嘆いた仲井監督。グラウンドで対峙している者以外には見えにくいが、確実に存在した差。それが、優勝と準優勝を分けた。