これは恐ろしいシュミレーションです。直径400kmの巨大隕石が衝突する確率は極めて低いものの、過去にはメキシコ・ユカタン半島で発見された巨大隕石の衝突によって恐竜が絶滅したこともあったので架空の話とは思えないものがあります。原始月が地球に衝突したのは、４５億年前と推測されています。ジャイアント・インパクト説によれば月と地球のマントルの化学組成が似ているのは、月が主に地球のマントルの破片から出来たためとされます。平均密度の違いも、破片に地球のマントルが多く含まれ、核は殆ど含まれないことで説明可能。形成直後の月は破片が多数衝突したため高温になり表面が融解していると考えられることから、月がマグマの海で覆われていたとする証拠との整合性も高い。このように、ジャイアント・インパクト説は、以前の説が抱えていた問題の多くを解決できると言われています。1980年代中頃には、月形成理論として最も有力な説とされました。