一円硬貨は、日本政府発行の補助硬貨。一円玉とも呼ばれる。日本で流通している硬貨の中で最も累積の製造枚数が多い。
表面には「日本国」と「一円」そして「若木」が、裏面には「1」と製造年がデザインされている。この表裏は造幣局での便宜的な呼称で、明治時代の硬貨と異なり法律上の表裏はない。
消費税導入前はスーパーなどで細々と流通している程度であったが、導入以降は五円硬貨とともに流通量が激増したため、特に平成に入ってから大量に製造されている。しかし消費税が3%から5%に増税された1997年以降はあまり必要性が無くなったため製造量を減らし始めており、特に2001年(平成13年)は800万枚程度しか製造されなかったため、同年製造の分は未使用であれば古銭商などで額面に比べれば比較的高値で取引されている。
一円硬貨1枚を製造するのにかかるコストは1円以上とされる。原料となるアルミニウムは2011年1月現在ロンドン金属取引所で1lb (1lbは0.45359237kg) あたり約1.075ドルで取引されており、1g (1gは1円玉1枚の重さ) で換算すると約0.2円程である。そこから1円玉として出来上がるまでに1枚あたり1.6~1.8円程度のコストがかかっていると言われている。現在では1枚製造するのに2円のコストがかかると言われている。

1948年に一円黄銅貨発行。この硬貨は戦後に発行されているが、素材金属価格の高騰により鋳つぶしされる恐れがあったため、「小額通貨の整理及び支払金の端数計算に関する法律」により1953年(昭和28年)12月31日をもって廃貨措置がとられ失効した。戦後発行された円単位の硬貨で現在通貨として使用できないのは、この一円黄銅貨のみである。
1955年:現行一円アルミニウム貨発行。
1968年:生産過剰となったため1年間製造を休止。従って昭和43年と刻印された一円硬貨は存在しない。