
歯根の異常としては、単根の過剰と複根の単根化がある。大臼歯は、複根の単根化(融合根)を起こすこともある。
歯根の彎曲は、軽度のものから重度のものまで現れる。彎曲根は、どの歯種にも認められ、様々な方向に彎曲する。
臼歯の彎曲根は歯が近心移動する性質を持つためか、遠心側に彎曲することが多い。彎曲の強さは異なっている。先の埋伏歯には、こうした彎曲根となるケースが多いので、口腔外科医の手を煩わせている。彎曲根は歯周組織に引っかかるので、真ん中で切断してから埋伏歯を取り出すことが多い。
またC4と言う根管治療が必要となった虫歯の治療に彎曲根が見られた場合、歯髄の除去に困難を極める。この場合、物理的に取ることが困難な歯髄は薬物で処理して歯髄を殺してしまう。その後、殺菌消毒して根管に支台歯を設け、歯冠(インレー)を被せて治す。
稀に歯根にはエナメル滴と言うものが埋入していることがある。痛みは伴わないが、セメント質で覆われている歯根の一部が組織の異常により、エナメル質の塊で同心円状になっているものもある。