和徳町の福士笛店 | スチャラカでスーダラな日々

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故・植木等氏の御冥福に因んでkeiのスーダラな日々を紹介します。故人の映画のようにスイスイと軽妙な人生を送りたいものです☆彡

弘前市和徳町は青森へ到る街道沿いでもあるので、商家の家並みも形成されにぎわいを見せました。
旧国道4号線沿いにある街なので、昔ながらの店があります。中でも弘前ねぷたと青森ねぶたに使われる笛を製作販売している店は、青森県内でも弘前市の「福士笛店」のみとなりました。

弘前のお祭りで使われている笛は、ウタグチと呼ばれる吹き口から、第一の穴までが十五寸で七つの穴があります。ちなみに、七番目の穴は使用しません。県内のお囃子の笛には、メダケが使われています。メダケは青森県内で生育していないので、九州から竹を取り寄せて笛を作っています。

笛の値段は、仕上げていない笛で2000~2500円。黒や朱の漆で仕上げている物で4000~5000円。津軽塗りのように仕上げている物が15000~30000円です。

和徳町の福士笛店

この祭り用の横笛を作り続けて30年の職人が、弘前市和徳町で「福士笛店」を営む福士重造さん(58)です。福士さんは、昨年の弘前ねぷたまつりで優れた保存継承者を表彰する「弘前ねぷた保存会長賞」を受賞しました。
裏方に徹して祭りを支え続けてきた福士さんですが、全国からの依頼も多く大量生産品にはない微妙な音色を表現できる福士さんの作品を買い求めるファンは数多いです。

福士笛店は、明治20年代に福士さんの曽祖父が創業しました。弘前市内には最盛期に複数の笛店がありました。後継者不足などから廃業が続き、現在は趣味で作る人を除けば福士さんが唯一の横笛職人です。
父・重吉さんから学んだ福士さんの作る笛は多彩です。基本形だけで弘前ねぷた、青森ねぶた、お山参詣の登山囃子と下山囃子、獅子舞と五種類もあります。これらの笛も穴開けの位置などで音が変化するため、その種類は無数。福士さんの作業場には、手作り定規が常時数十個も用意されています。

津軽のねぷた、ねぶた祭りは独特のメロディーなので、地元で作ったものでないと合いません。(大量生産の)下り物もあるが、団体で演奏すれば調子が外れてしまうので違いが分かるそうです。笛作りは、竹の乾燥から2~3年もかかる気の長い作業で、福士さんの場合は完全手作りのため1日十本が限度。各地の夏祭りを控えた6~7月には大忙しになります。

福士さんの笛は県内の祭りの他に、秋田竿燈まつりなど全国で使われています。祭り時期ともなれば観光客も大勢店を訪れ、中には「福士さんの笛でないと…」と毎年訪れるファンも多いそうです。

福士笛店 〒036-8021
       青森県弘前市大字和徳町253
       ℡0172-34-1513