2006年7月22日夜、下新町ねぷた愛好会のねぷた小屋で撮影許可をもらって撮りました。ねぷたを貼っている順番は、表の鏡絵から裏の袖絵・見送り絵と貼っていきます。動画では、見送り絵を貼ったところまで紹介しています。画面をクリックすると、大きな動画が見られます。
見送り絵を貼った後は、袖絵との間に蔦と雲の絵を貼ります。蔦が内側で雲が外側に貼られます。次に団体名や石打無用と書かれる肩の部分を貼り、その下に雲を貼ります。その後、牡丹の絵が描かれる開きと雲漢(漢雲)・武者絵が描かれる額絵を一番下の台座に貼り、最後にその周りに雲を貼って本ねぷたが完成します。
また鏡絵・袖絵・見送り絵の紙貼りには、必ずその団体のねぷた絵を描いた絵師が視察に来ます。絵師の工房で書いた絵に灯がともるとロウが絵を照らすので、絵師も感慨深い表情を見せています。基本的に、ねぷた絵の題材は絵師まかせです。ここ下新町ねぷた愛好会も紙貼りまで絵の内容は知りません。毎年生首が描かれるのは下新町の特徴ですが、これも絵師の裁量に依る部分が大です。
これと平行して、前ねぷたの作成もやっています。ねぷたまつりは一週間しか見られませんが、ねぷた小屋では7月下旬からねぷたの制作が佳境に入ってきます。その合い間に笛や太鼓の練習をしています。
他の団体では、骨組みだけを空き地に置いて雨ざらしでも良い状態にしておき、7月初めに小屋を建てて7月下旬から紙貼りや前ねぷたの制作に取り掛かります。だいたい人手の多い土日に、紙貼りと前ねぷたを制作するケースが殆どです。
弘前ねぷたまつりは毎年8月1日~6日(7日は日中運行)の夜に運行されますが、その前に必ず町内会単位で先に紙貼りの終えたねぷたを運行しています。このため、悪くても7月30日までは殆どの団体のねぷた絵が完成しています。ねぷたを取材する地元の新聞記者やカメラマンは、30日か31日に全ての運行団体のねぷた小屋を訪問し、ねぷた絵や題名・題材なども撮影・取材しています。ねぷたまつり初日には、新聞の中面にねぷた運行団体一覧表が挟まれています。彼らの努力によって、観光客が弘前ねぷたの品定めを出来るワケです。
また相馬村・岩木町・大鰐町・東目屋等のねぷたは、本拠地が遠いのでねぷた運行コースの空き地(青森銀行記念館前)に小屋を建てて制作しています。これらの町村は、骨組みを地元から持って行かなければならないので、早朝の車がいない時間帯に小屋まで運んでいます。
協力 下新町ねぷた愛好会