メグミ旬報


殴ったり殴られたりのないブラッド・ピット・・・女性にふられてばかりのブラッド・ピット・・・それだけでこの映画の価値があるかも!なんてあえて逆説的に不謹慎に言いましたが、同じ役者として、今までの役と全く違うキャラクターを演じるのは勇気の要ること必至です。なぜならそれまでに培ったイメージを裏切るには、それ相応の演技力がなければ、新しい作品で逆のキャラクターを生き生きと魅せられないからです。

その意味で、この方はいつも新しいことに挑戦していて素晴らしいなぁ、と彼の作品で何度も感心しました。日本だったら、正統派の若い俳優が中堅どころに挑戦する時に演じるような役ですね。それを暴力やセレブリティのイメージのブラッドピットが演じているのが、まず面白い◎


しかも、とてもむずかしい病気の話。きっと実際にあるのではないかと思いますが、生まれたとき老衰していて、だんだん若くなり、中年を生きた後に認知症の少年時代を送る・・・そして赤ん坊の姿で死んでいく。面白半分ではすまない、当人にはつらいことの多い人生でしょう。このなにもかも逆さまのストーリーの中で、「生きるってなあに?」という永遠のテーマを考えさせられます。今難病をわずらってしまった私には、主人公ベンジャミンが苦悩に負けず淡々と頑張って人生を楽しんだ、その勇気と夢と哀しみが切実に感じられました。

ゆっくり、じっくり映画鑑賞出来る時に是非オススメしたい作品ですドキドキ


オフィシャルサイト『ベンジャミン・バトン-数奇な人性-』



それからこの特殊メイクもスゴイですね!登場人物が老いたり若返ったりが・・・それも顔も体も・・・圧巻です。役者としてはとっても楽しそうドキドキドキドキ


メグミ旬報-sld


素晴らしかった。スラム育ちの少年少女の話。インドのスラムをこの目で見た私には、いくらかのリアリティを持ってこの映像が迫って来ました。インドの街には物乞いの小さな子ども達がいっぱい溢れています。その子達の中に、片腕がない子がいましたが、「五体満足で生まれてきても、物乞いでたくさん稼げるように、親がわざと腕を切り落としたりするんだよ」とインドの友人に教わりましたが・・・その通りの映像が出て来ました。スラムで拾われて物乞いチームを組まされたその親分が、小さな小さな少年の目を熱した薬品でつぶしたのです。あまりの残酷さに涙がとまらなかった・・・しかも、これはきっとスラムでは周知の事実で、おそらくこういう子は少なくないのです。

親を失い、愛情も注がれず、仲間や兄からさえも裏切られ、裏切り・・・ そんな滅茶苦茶なカオスの中にあっても、純真な主人公ジャマールは、元仲間の少女を救うために、テレビのクイズ番組に出演するのです。彼女に見つけてもらうため、彼女に「僕は生きてるよ」「僕は君を探しているよ」とメッセージするために!


インドのテレビは100チャンネル以上もあって、日本とは比べ物にならないビッグエンターテイメントです。そこでスラム=無学、無知とされる少年がミリオン級の賞金をゲットして、一躍ヒーローになるのですビックリマークなんてステキなストーリードキドキスラムの人々がテレビに群がって彼を応援し「全門正解するんだよ」と言うその笑顔が忘れられません。ああどうか・・・スラムの方々のつらい経験が、この映画のような出来事で救われたらいいのに・・・


日本公式サイト 映画『スラムドッグ$ミリオネア』

英国公式サイト Slumdog Millionaire,- official movie site


インドの事情通でなければわかりにくい面もあるかもしれませんが、そんなことはさておき、このジャマール少年の純真さ・・・警察に詐欺と疑われて「お前がクイズであんなに正解出来るはずがない」とリンチされても、決して嘘をつかない魂の素晴らしさだけでも、必見!心が洗われますべーっだ!


迂濶にも、私はこの映画を知りませんでした。

恥ずかしいことだと思います。

先日ベジタリアンレストランを探そうとインターネットを見ていて、

この映画のサイト『いのちの食べかた OUR DAILY BREAD 』に行き着きました。

ただ、この作品、たとえ上映中に知っていたとしても、

私にはスクリーンで観る勇気がなかったかも。

機械で殺される牛さんや、予防注射を射たれるベルトコンベアーのヒヨコさんの映像を、

私は直視出来なさそうです‥残酷過ぎて‥。

今までも観たくても観に行けなかった映画は、過去にひとつありました。

それは『ホテル・ルワンダ』。

劇場に行けず、DVDが出てもすぐには観れませんでした。

予告編で、家族を目の前で殺されるシーンがあって、

それが強烈で、

冷静に座って観ていられる自信がなかったのです。

ニコラウス・ゲイハルター監督には、

賛美を送らずにはいられません。

きっと命を張るほど勇ましい内容のある映画だからです。

(観てから言ってくれ、と言われそうですが。)

このテーマ=肉食について、

全く考えたことがない方には、

いち早くご覧になって頂きたいです。

(それも観てから言ってほしいですよね!(^_^;)ごめんなさい。)

メグ旬はじまって以来の、

まだ観てない映画の、

まだ観ていないくせに書いちゃった感想です。


きちんと拝見した後、

また書かせて頂きたいと思いますので、

どうぞ失礼をお許し下さい。