
殴ったり殴られたりのないブラッド・ピット・・・女性にふられてばかりのブラッド・ピット・・・それだけでこの映画の価値があるかも!なんてあえて逆説的に不謹慎に言いましたが、同じ役者として、今までの役と全く違うキャラクターを演じるのは勇気の要ること必至です。なぜならそれまでに培ったイメージを裏切るには、それ相応の演技力がなければ、新しい作品で逆のキャラクターを生き生きと魅せられないからです。
その意味で、この方はいつも新しいことに挑戦していて素晴らしいなぁ、と彼の作品で何度も感心しました。日本だったら、正統派の若い俳優が中堅どころに挑戦する時に演じるような役ですね。それを暴力やセレブリティのイメージのブラッドピットが演じているのが、まず面白い◎
しかも、とてもむずかしい病気の話。きっと実際にあるのではないかと思いますが、生まれたとき老衰していて、だんだん若くなり、中年を生きた後に認知症の少年時代を送る・・・そして赤ん坊の姿で死んでいく。面白半分ではすまない、当人にはつらいことの多い人生でしょう。このなにもかも逆さまのストーリーの中で、「生きるってなあに?」という永遠のテーマを考えさせられます。今難病をわずらってしまった私には、主人公ベンジャミンが苦悩に負けず淡々と頑張って人生を楽しんだ、その勇気と夢と哀しみが切実に感じられました。
ゆっくり、じっくり映画鑑賞出来る時に是非オススメしたい作品です![]()
オフィシャルサイト『ベンジャミン・バトン-数奇な人性-』
それからこの特殊メイクもスゴイですね!登場人物が老いたり若返ったりが・・・それも顔も体も・・・圧巻です。役者としてはとっても楽しそう![]()
![]()